さらば愛しの我がiPhone

リアルタイム 5/11 ペルー
クソまずいサンドイッチを食べながら

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スマートフォンが出た手の頃、iPhoneというのはどうしても鼻持ちのならない存在であった。所詮意識他界系のおもちゃだろ、と斜に構え、ガラケーをやめてからもずっとandroidを使っていた。しかし3年前、別名電動式カイロことアローズからiPhone5cに、理由は忘れたが変えることにした。驚いた。なんという電池持ち。写真も綺麗!発熱もしない!使いやすい!ジョブズ万歳!と手首がちぎれんばかりの掌返しをきめ、それから今まで、途中落として画面がバキバキに割るという修羅場もあったが、肌身離さず持ち歩いた。沢山の旅行を一緒に過ごし、沢山の思い出を共にしてきた。

そんなiPhoneが盗まれた。

場所はボリビアポトシ。鉱山ツアーを終えて宿でゴロゴロしていると、突然外で大騒動。祭りが始まったのだ。どうやらこの数日は、乾季の始まりを祝うお祭りが模様されているらしい。意表をつかれたが、これを写真に収めないわけにはいかない!と大慌てで外へ出る。人々の熱気と楽器隊の迫力、花火の喧騒。凄まじいエネルギーだ。一眼を取り出し、人ごみの中で写真を取ることに熱中する。どうせだからiPhoneで動画も撮ろう!と思ってポケットを探る。あれ、ない?おかしい、上着の左のポケットにいれてチャックを締めていたはずだ。落としたわけはない。ということは、

盗難

されたのだ。そういえばさっき人ごみの中で不自然に体を寄せられたような。バッグや後ろポケットを探してもない。そうなのだ、盗まれたのだ。急いで近くの交番に駆け込む。

自分「iPhoneスラれたんだけど」
警官「どんまい。盗難証明書は出してやるから諦めろ」

ハナから期待はしていなかったが、どうやら横浜が日本シリーズに進出してソフトバンクを四タテするくらいの可能性しか、取り返してもらえる見込みはないようだ。しかし、この盗難証明書、海外保険の保障の申請に必要になるのでとても重要。丁重に鞄にしまい込んで、とりあえず宿に戻る。悔しさと絶望感。まああんな鉄の塊どうでもいいや、と思いたいがそうもいかない。とりあえず今回の敗因をまとめてみると、

1 人ごみへの油断
こっちにきてから、インドや東南アジアのような人ごみにほとんど出会っておらず、若干の油断が生じた。

2 祭りが重なった
たまたま滞在期間中に一年に一回の祭りが重なり、ほとんど発生しない人ごみができた。

3 焦り
祭りが急に始まったので、焦って写真を取りに行き、冷静さを失っていた。

4 上着の選択ミス
普段はスリ防止用の上着(ポケットにチャックとバリバリ2つ付いていて、さらに後ろからポケットに手を突っ込めない仕組みになっているUNIQLOの上着)を来ていたのだが、今回はポケットにチャックしかついていない上着を着ていってしまった。

ざっとこんなところ。まあタブレットも持っていたのでどうにかなる。しかし、こっちに来てからバックアップを取っていなかったので、これまでの写真が全部飛んでしまった(泣)。ウユニのトリック写真とか、各所の料理の写真とか全部iPhoneで取っていたのに。しかし、もう片方のポケットには現金やカード、パスポートも入っていたので、そちらを取られなかったのは不幸中の幸い。と思うしかない。失意の中、翌日からはボリビアの実質的首都ラパスに向かう。