国分拓「ノモレ」

集団の記憶というものが、ある。

脳裏に蘇る光景が、なんだか自分一人の記憶でない気がしてくる。それは確かに僕が見た景色なのだけれども、僕ら・・が見ていたような感じもする。そんな体験が、ある。

新潮 2018年 02 月号

新潮 2018年 02 月号

アマゾン奥地で文明社会との接触を断って暮らすイゾラドとの接触を、「文明化された」先住民の目線から描いた国分拓「ノモレ」。ノンフィクションとしての面白さとと、手に汗握る物語の共住。そして、随所で語られる共同体としての記憶に触れる時、一つの身体に縛られない文学のあり方に気付くだろう。圧倒のエンターテインメント・ドキュメントに、ぜひ目を通すべし!