チェーンメールの思い出

思い返すと2000年代は今よりもだいぶいかがかわしいものに溢れた時代であった。今であればググれば一発でわかるようなデマとか悪戯もも横行していたように思える。そのひとつがチェーンメールだ。21世紀を迎えたこの時期に、不幸の手紙のようなあからさまな非近代的諸行は流石に流行らなかったが、今でも記憶に残っているのはテレビ番組『学校へ行こう』を騙ったものである。当時はもちろんLINEなどなく、ガラケーのキャリアメールが人々のコミュニケーションツールを一手に担っていたと思う。ガラケー自体についても一晩みっちり語りたいという願望があるのだが今回は割愛しよう。とにかく、ある日突然こんな内容のメールが友人から届いたのを覚えている。

 

チェーンメールじゃないよ。テレビ番組「学校へ行こう」でメールがどこまでつながるかをV6が実験競争中だそうでスタートがV6 の森田剛くんから始まってとうとう回って来ました。これと同じメールを10人に送ってください。この結果は5月24日夜8時放送です。
絶対に止めないでねお願いします!

 

この文章自体はネットからの拾いものなので、自分も15年ぶりくらいに目を通したのだが、懐かしさに胸が痛めつけられて過ぎ去った日々のかけがえのなさを思ったり思わなかったり。当時は小学校高学年だったな、『デスノート』にハマってたな、とかとめどなく思い出がこぼれ出してどうしようもない。また話が脱線しそうなので本題に戻すと、文面が妙にリアリティを持っているから騙されるガキンチョたちもたくさん出たことだろう。加えて、これが見ず知らずの人から送られて来れば鼻垂れ小僧でも怪しいと思うのであるが、リア友(これも懐かしい)から送られてくるのであるから信憑性が高まってしまう。しかし、これを送ってきた友人に誰から回ってきたのか聞いたか否かの記憶が曖昧である。それを辿っていけば、悪戯の発信地に迫ることもできたろうに、そんな心躍るような絶好の機会を当時の自分はみすみす逃したことになる。まったく、少年ならもっと冒険心を持たなければだめだろう。