Homecomingsというバンド

 

 

Homecomingsが昨年クリスマスに行ったライブ「BLANKET TOWN BLUES」を視聴した。本来であれば会場に赴いて直接お目にかかりたかったライブだが都合がつかず、その後アーカイブ配信をしていたのも知っていたのだがタイミングを逸していて、けっきょく配信最終日に視聴する羽目となったのだが、見逃さなくて本当によかったと思える出来であった。

曲が良いことはもちろんなのだが、今回はボーカル畳野彩加の歌唱が安定したことで、演奏としてのクオリティが格段に向上した。バンドの最大の強みであるコーラスワークの素晴らしさも健在で、ストリングス部隊もはまっており、文句なしのライブだ。そして映像も高画質で素晴らしく、1,500円という決して安くない視聴料にまったく不満を覚えない出来だった。

 

しかし彼らを聴き続けて何年になるのだろうとか考えていたら、いろいろと思い出すものがあり、自分語りも含めて彼らの来歴を追いなおしてみることにした。

 

Homecomingsの音楽と初めて出会ったのは、2013年に発表された「Sunday」のミュージックビデオだったと思う。たよりない英語詞で歌うボーカルの不安定さと端正なメロディが醸し出すものさみしさとうつくしさの混在に魅了されて、すぐにファーストアルバム『Homecoming with me?』を今は亡き新宿TSUTAYAでレンタルした。どことなくスーパーカーを訪仏させる「青さ」が素晴らしいアルバムだ。

翌年には彼らのアンセムともいえる「I want you back」が出ており、この時点ですっかり虜であった。そして、同年に発表された平賀さち枝との共作『白い光の朝に』で、彼らの存在は確実に自分にとって特別なものとなるある。人生の何もかもを肯定してしまうような美しい歌詞とメロディ。誰かの青春をそのまま切り取ったようなミュージックビデオ。身体の底から多幸感があふれ出して止まらなくなるような音楽と出会えて、本当に幸せな体験であった。

続けて2015年に発表された『Hurts』が大きく跳ねて、彼らの存在はより多くの音楽ファンに認知されることになったと思われる。このミュージックビデオで見せつけられる若さとカッコよさがまぶしくて、このころの彼らが放っていた「無敵感」は筆舌に尽くしがたい。

その後も、「SYMPHONY」や「Songbirds」(大名作『リズと青い鳥』の主題歌)などハイクオリティなシングルを発表し、2018年の4枚目のアルバム『WHALE LIVING』(2018年)ではついに日本語詞を解禁する。アイデンティティであった英語詞を捨てることに対する不安は、「Hull Down」「Blue Hours」といった美しい日本語を積んだ名曲を聴いて吹き飛んだ。
そして、今春にはポニーキャニオンからのメジャーデビューが決まっている。気が付けば彼らも結成から9年目を迎える。結成9年目というのは、彼らの敬愛するスピッツが『チェリー』を発表してメジャーバンドとしての地位を確立した年でもある。メジャーデビューを契機に、彼らの楽曲がより多くの人に届いてほしいと願うばかりだ。

 

 

 

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