オーロラになれなかった人のために 2023-03-22T21:34:43+09:00 ok8823 Hatena::Blog hatenablog://blog/6653812171402406285 WBC2023日本代表に寄せて hatenablog://entry/4207112889973935301 2023-03-22T21:34:43+09:00 2023-03-22T21:40:19+09:00 体の奥底から熱いものがこみあげてきたのは、フルカウントから投じられたスライダーがマイクトラウトのバットをすり抜けた瞬間でも、激闘を戦い抜いた男たちが抱き合う時間でも、英雄たちが胴上げでマイアミの宙を舞ったタイミングでもなく、世界中の興奮がいったんの落ち着きを見せた頃合いだった。 ああ、WBCは終わってしまったのだ。もうこのチームを見ることはできないのだ。そんなことを考えたら、寂しくなって、悲しくなって、でもなんだかうれしくなって、でもやっぱり寂しくなって、もうぜんぶ分からなくなって、とにかく涙が止まらなくなっていた。 チームが結成されてから、宮崎キャンプからカウントしても一か月ほどの期間しかな… <p>体の奥底から熱いものがこみあげてきたのは、フルカウントから投じられたスライダーがマイクトラウトのバットをすり抜けた瞬間でも、激闘を戦い抜いた男たちが抱き合う時間でも、英雄たちが胴上げでマイアミの宙を舞ったタイミングでもなく、世界中の興奮がいったんの落ち着きを見せた頃合いだった。</p> <p>ああ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WBC">WBC</a>は終わってしまったのだ。もうこのチームを見ることはできないのだ。そんなことを考えたら、寂しくなって、悲しくなって、でもなんだかうれしくなって、でもやっぱり寂しくなって、もうぜんぶ分からなくなって、とにかく涙が止まらなくなっていた。</p> <p>チームが結成されてから、宮崎キャンプからカウントしても一か月ほどの期間しかない。それだけの付き合いでしかないのに、これほどまでに愛着をいだいたチームがいまだかつてあっただろうか。</p> <p>若手をまとめあげる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%EB%A5%D3%A5%C3%A5%B7%A5%E5">ダルビッシュ</a>の献身(一般人と<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SNS">SNS</a>でしょっちゅう喧嘩していたころを知っている身としては彼の精神面での成熟には感慨深いものがある)、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CD%B4%D6%C0%AD">人間性</a>だけでなくプレー面でもファンの心をつかんだヌートバーのハッスル、不振にあえぎながらバットを振り続けた村上の復活、すべての選手がかみ合って、これ以上ないチームが出来上がった。そしてその中心には、いつも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C3%AB%E6%C6%CA%BF">大谷翔平</a>がいた。</p> <p>大谷が現れる、大谷がバットを振る、大谷がボールを投げる、大谷が口を開く。なんでもないひとつひとつの所作にファンは湧き、ファンでもない人間も注目し、一流の選手たちもが熱狂した。日本野球が生んだスーパースター。大谷を表現するにあたって、これ以上の言葉はないだろうし、彼が代表チームを率いたからこそ、ここまでの熱狂が生まれたのだろう。</p> <p>もちろん、大会を盛り上げたのは日本チームだけでない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%C3%A5%D7%A5%EA%A1%BC%A5%B0">トップリーグ</a>のプレイヤーたちがこぞって、自国の野球の威信をかけて戦った(一流選手に参加を勧め続けた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%A4%A5%AF%A1%A6%A5%C8%A5%E9%A5%A6%A5%C8">マイク・トラウト</a>の功績は見逃せない)。十年前は閑古鳥が鳴いていた世界各地の球場にも、いまでは満員の観客が埋め尽くし、それぞれの熱狂が、ひとつならざる感情が、そこに満ちていた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/WBC">WBC</a>という大会が、いや野球という文化が、先人たちが捲いた種を実らせて、ここに大きな花を咲かせたのだ。</p> <p>準決勝で日本に敗れたメキシコ代表の監督・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%F3%A5%B8%A1%BC">ベンジー</a>・ギルは試合後にこう語った。</p> <blockquote> <p>Japan advances, but the world of <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/baseball">baseball</a> won tonight.</p> <p>「日本が勝ったが、今夜は野球界の勝利だ」</p> </blockquote> <p>まさにそうなのだ。勝ったのは、野球であり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/baseball">baseball</a>であり棒球なのだ。このあまりに素晴らしい言葉を聞いたとき、野球という文化を愛してきて本当によかった、意味があったのだと思った。はじめて両親に連れて行ってもらった東京ドームでの興奮が、テレビにかじりついて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D7%A5%ED%CC%EE%B5%E5">プロ野球</a>を見ていた日常が、がらがらの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%B5%DC%B5%E5%BE%EC">神宮球場</a>に足を運んだ思い出が、河川敷の球場で下手なりに白球を追いかけた青春が、すべてここにつながっているのだと、本気で思えた。そうだとしたら、私も少しは、この野球界の勝利に貢献できたのかもしれない。なんて考えながら、ひとしれずまた静かに泣いた。</p> ok8823 文学フリマ東京35を経て hatenablog://entry/4207112889938696145 2022-11-22T00:34:09+09:00 2022-11-22T00:48:05+09:00 口ロロに『マンパワー』という作品がある。高校生の時に聴いていたこのアルバムが、なぜか昨日今日の自分の脳裏によく響く。2013年、震災が後姿を見せ、東京スカイツリーが開業したあの頃の雰囲気がまるごと詰まった音楽だと思う。そのような時代性の帯電になぜいまこの時の自分が惹かれるのか、定かなことは分からない。それによく調べたら、このアルバムが出たのも、スカイツリーが開業したのも、どちらも2012年らしい。まったく適当なものである。たくさん聴いた音楽なのに。時代感覚が分からなくなっている。ひとの記憶とは案外そんなもので、大事だと思っていることだって簡単に忘れてしまうし、どうでもいいことばっかりは覚えてい… <p><iframe allow="autoplay *; encrypted-media *; fullscreen *; clipboard-write" frameborder="0" height="450" style="width: 100%; max-width: 660px; overflow: hidden; background: transparent;" sandbox="allow-forms allow-popups allow-same-origin allow-scripts allow-storage-access-by-user-activation allow-top-navigation-by-user-activation" src="https://embed.music.apple.com/us/album/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC/510288779"></iframe></p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%FD%A5%ED%A5%ED">口ロロ</a>に『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%F3%A5%D1%A5%EF%A1%BC">マンパワー</a>』という作品がある。高校生の時に聴いていたこのアルバムが、なぜか昨日今日の自分の脳裏によく響く。2013年、震災が後姿を見せ、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%B5%FE%A5%B9%A5%AB%A5%A4%A5%C4%A5%EA%A1%BC">東京スカイツリー</a>が開業したあの頃の雰囲気がまるごと詰まった音楽だと思う。そのような時代性の帯電になぜいまこの時の自分が惹かれるのか、定かなことは分からない。それによく調べたら、このアルバムが出たのも、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%A4%A5%C4%A5%EA%A1%BC">スカイツリー</a>が開業したのも、どちらも2012年らしい。まったく適当なものである。たくさん聴いた音楽なのに。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%FE%C2%E5%B4%B6%B3%D0">時代感覚</a>が分からなくなっている。ひとの記憶とは案外そんなもので、大事だと思っていることだって簡単に忘れてしまうし、どうでもいいことばっかりは覚えていたりもする。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%B3%D8%A5%D5%A5%EA%A5%DE">文学フリマ</a>東京35に出店した。同人誌の即売会、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%DF%A5%B1">コミケ</a>の読み物版的なその場に、『みりん、キッチンにて沈没』とかいうふざけた名前の短編集を出した。ひとつも売れなかったらどうしよう。当日まで不安は尽きなかったが、意外と売れた。いろんな人が買ってくれた。わざわざこの本を買いに来てくれる人もいた。嬉しかった。</p> <p>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%F3%A5%D1%A5%EF%A1%BC">マンパワー</a>』を聴いていたころ、2012年でも2013年でもいいのだが、そのころの自分は、将来自分が本を出すことになるなんて夢にも思っていなかった。自分の書いた文章が知らない誰かの頭に吸い込まれていくなんて思わなかった。それは叶わない夢への憧憬ではなく、ただ単に世界の広がりに気づいていなかった。自分で言葉を紡げること、紡ぐことが許されている世界に生きていることに、気づいていなかった。</p> <p>十年という歳月が流れた。その間に、たくさんの人に出会った。多くの本を読んだ。音楽も聴いた。映画も観た。いろんな感情に遭遇した。少なくない風景を見た。いやなこともあった。楽しいこともあった。その間、ずっと自分の奥底に、言葉が、物語が、溜まっていった。いつかそれがあふれ出して、そうやって、一冊の本になった。本がたくさんの人の手に渡った。どこかで、誰かの言葉のいちぶになってくれたら嬉しい。なんて思いながら、このブログを書いている。</p> <p>ひとつ節目となった2022年。十年後から見れば、またそれも遠い記憶となっている。そしてまた、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%B3%D8%A5%D5%A5%EA%A5%DE">文学フリマ</a>に初めて出たのは2023年だったよなとか、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%F3%A5%D1%A5%EF%A1%BC">マンパワー</a>』でも聴きながら勘違いするのだろう。まあでも、入り混じった記憶の中に、この美しさだけ垣間見えたらそれでよい。</p> ok8823 『silent』と草野正宗の言葉 hatenablog://entry/4207112889936218955 2022-11-13T18:18:09+09:00 2022-11-13T18:18:09+09:00 前書き(よまなくてもいいです) 歳をとるごとに涙腺が緩んでいくと聞いてはいたものの実際に自分が二十代も後半に差し掛かり思うのは自身の涙の価値がだんだんと下がっているということにある。いやそもそもの話てめえの汚い涙になんて誰も興味ないぜアホンダラと言われたらこぶしを握りしめて唇をかみしめるしかないのだが、しかしまあこの世に生を受けて日本国民の三大義務ぐらいは果たしている身としてそのぐらいの主張があっても許されるのではないか。 さて、何の話か。そうそう、なんか『silent』とかいうドラマが話題らしいじゃないか。ほう、どうやらスピッツが物語に大きくかかわってくるのか。一見すると「親と友達とこの世界… <h3 id="前書きよまなくてもいいです">前書き(よまなくてもいいです)</h3> <p><span style="font-weight: 400;">歳をとるごとに涙腺が緩んでいくと聞いてはいたものの実際に自分が二十代も後半に差し掛かり思うのは自身の涙の価値がだんだんと下がっているということにある。いやそもそもの話てめえの汚い涙になんて誰も興味ないぜアホンダラと言われたらこぶしを握りしめて唇をかみしめるしかないのだが、</span><span style="font-weight: 400;">しかしまあこの世に生を受けて日本国民の三<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%B5%C1">大義</a>務ぐらいは果たしている身としてそのぐらいの主張があっても許されるのではないか。</span></p> <p><span style="font-weight: 400;">さて、</span><span style="font-weight: 400;">何の話か。そうそう、なんか『silent』とかいう</span><span style="font-weight: 400;">ドラマが話題らしいじゃないか。ほう、どうやら</span><span style="font-weight: 400;"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D4%A5%C3%A5%C4">スピッツ</a>が物語に大きくかかわってくるのか。一見すると「親と友達とこの世界に感謝系のキラキラ難病モノ」みたいな感じで気に入らんのだが、試しに見てみるかと</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Tver">Tver</a>の見逃し配信に手を出したのが約3週間前、そして<span style="font-weight: 400;">いま私の部屋では滂沱の涙を垂れ流す三十路男が<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A5%F3">スマートフォン</a>の小さな画面をじっと見つめているではないか。</span></p> <p><span style="font-weight: 400;">枕が長くなったが、要するに、このドラマは、最高である。最高だから、何かこれについて書きたいと思った。どうせ書くなら、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D4%A5%C3%A5%C4">スピッツ</a>を絡めて書きたい。じゃあ、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%F0%CC%EE%C0%B5%BD%A1">草野正宗</a>の詩世界を参照しながら、本ドラマの魅力に迫る」みたいな記事を書いてみよう、というのが、本記事の趣旨なのである。</span></p> <p>↓から本題。</p> <p> </p> <h3 id="表の意味を越えて">「表の意味」を越えて</h3> <p><span style="font-weight: 400;">さわやかで端麗なパブリックイメージに反し、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D4%A5%C3%A5%C4">スピッツ</a>・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%F0%CC%EE%C0%B5%BD%A1">草野正宗</a>の詩世界には「死と性」が重低音として鳴り響いており、実際かつて草野はインタビューにて「俺が歌を作るときのテーマって”セックスと死”なんだと思うんですよ」という言葉を残している。一方で、物語に欠かすことのできない装置として<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D4%A5%C3%A5%C4">スピッツ</a>の楽曲が動員されるドラマ『silent』においては、「死と性」は清々しいほどに顔を出さない。誰も死なないし、誰も交わらない。しかし、脚本を務める生方美久が自身の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>で「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D4%A5%C3%A5%C4">スピッツ</a>の「楓」みたいなお話書いてる」と投稿している通り、本作の底流には確かに草野が紡ぐ言葉が鳴り響いているのもまた確かである。では、生方は草野文学の核「死と性」以外のどういった部分を本作に塗りこんでいるのだろうか。それを探るためには、草野の言葉が持つもうひとつの魔法、意味性の超越について考える必要がある。</span></p> <p><span style="font-weight: 400;">草野は自身が所有する圧倒的言語センスとは裏腹に、言葉というものに対して多くの信頼を寄せていない。いやそれどころか、「言葉はやがて恋の邪魔をして/それぞれカギを100個もつけた」(ハヤテ)と書くように、かえって言葉がコミュニケーションを疎外することにすら意識的である。だがしかし、草野は言葉そのものを信じない代わりに、言葉に付随するあれこれについては積極的に肯定を見せる。「誰彼すき間を抜けて/おかしな秘密の場所へ/君と行くのさ/迷わずに/言葉にできない気持ち/ひたすら伝える力/表の意味を超えてやる/それだけで」と綴る「初恋クレイ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>」の言葉はまさに象徴的であろう。この「秘密の場所」というのは、代表曲「ロビンソン」で語られる「誰も触れないふたりだけの国」と同義であると考えられ、要するに、言葉の「表の意味」ではない何かによって「ふたり」の関係は一般的コミュニケーションを超越した地平線へと引き揚げられるわけである。</span></p> <p><span style="font-weight: 400;">このことは、『silent』にも登場する「魔法のコトバ」の歌詞「魔法のコトバ/口にすれば短く/だけど効果は/すごいものがあるってことで/誰も知らない/バレても色あせない」にもしっかりとあらわれていて、ここでもやはり<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A1%D6%C3%AF%A4%E2%C3%CE%A4%E9%A4%CA%A4%A4%A1%D7">「誰も知らない」</a>「魔法のコトバ」によって「表の意味」を越えて「誰も触れないふたりだけの国」に到達できることが示唆されている。</span></p> <p><span style="font-weight: 400;">本ドラマにおいても、言葉が「表の意味」を超える瞬間は枚挙にいとまがなく、と言うよりむしろ、それこそが主題と言っても過言ではないだろう。では、表の意味を超えるためにどのような魔法を言葉に塗りこんでいるのかといえば、それは、とてもありきたりかもしれないが、「想い」である。「言葉はまるで雪の結晶/君にプレゼントしたくても/夢中になればなるほどに/形は崩れ落ちて溶けていって/消えてしまうけど/でも僕が選ぶ言葉が/そこに託された“想い”が/君の胸を震わすのを諦められない/愛してるよりも“愛”が届くまで」という主題歌「Subtitle」(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Official">Official</a>髭男dism)の歌詞を引用するまでもなく、本作ではあらゆる言葉に想いが(意識的/無意識的を問わず)込められており、たとえば紬の「ハンバーグ以外」という言葉には、たとえば古賀先生の「佐倉ダサいわ」という言葉には、たとえば奈々の「聞くよ」という言葉には、「表の意味」を遥かに超えた「想い」が込められているではないか。</span></p> <p><span style="font-weight: 400;">しかしまた、言葉に込められた裏の意味がすぐに伝達されないことだって往々にしてある。「好きな人がいる」という言葉に想が込めた想いに紬は八年間気づくことができなかった。紬もまた「普通に、声で話せるんですけどね、湊斗とは。伝わらないものですね」と想いの伝わらなさを嘆く。そのような「伝えたい/伝わらない/その不条理」こそ人間関係の本質なのかもしれない。そのように言葉に閉じ込められた想いは、しかし、あるときひょっこりと顔を出して、私たちはまなこを潤ませることになる。そのような落涙の中で、根っからの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D4%A5%C3%A5%C4">スピッツ</a>ファンである筆者などは、「隠し事の全てに声を与えたら/ざらついたやさしさに気づくはずだよ」(ベ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D3%A1%BC%A5%D5">ビーフ</a>ェイス)という草野の言葉を思い出してまた泣く。『silent』というドラマの素晴らしさは、融解した想いのきらめきにこそあるのだと、強く思う。</span></p> <p> </p> <h3 id="告知">告知</h3> <p>11月<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/20%C6%FC">20日</a>の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%B3%D8%A5%D5%A5%EA%A5%DE">文学フリマ</a>東京35に短編集『みりん、キッチンにて沈没』を出品します。</p> <p>表題作は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%AF%A5%E8%A5%E0">カクヨム</a>に全文掲載しておりますので試し読み感覚でご一読いただけますと幸いです。</p> <p>面白いと思ったら、ぜひ当日ブースにお越しください!</p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fkakuyomu.jp%2Fworks%2F16817330648789822425%2Fepisodes%2F16817330648789873086" title="みりん、キッチンにて沈没 - みりん、キッチンにて沈没(百目鬼 祐壱) - カクヨム" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" loading="lazy"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://kakuyomu.jp/works/16817330648789822425/episodes/16817330648789873086">kakuyomu.jp</a></cite></p> <blockquote class="twitter-tweet"> <p dir="ltr" lang="ja"><a href="https://twitter.com/hashtag/%E6%96%87%E5%AD%A6%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%9E%E6%9D%B1%E4%BA%AC?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#文学フリマ東京</a> に純文学短編集『みりん、キッチンにて沈没』を出品します。<br />「笑い」を意識した表題作は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%AF%A5%E8%A5%E0">カクヨム</a>で全文公開中です。<a href="https://t.co/SEORZ3Y8Fg">https://t.co/SEORZ3Y8Fg</a> <a href="https://t.co/pUY9WbFUUB">https://t.co/pUY9WbFUUB</a></p> — 海ねこ@<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%B3%D8%A5%D5%A5%EA%A5%DE">文学フリマ</a>東京に『みりん、キッチンにて沈没』出品 (@disjointtt) <a href="https://twitter.com/disjointtt/status/1586668783179292673?ref_src=twsrc%5Etfw">October 30, 2022</a></blockquote> <p> <script async="" src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> </p> ok8823 第167回芥川龍之介賞 受賞作予想 hatenablog://entry/4207112889899907999 2022-07-18T00:29:13+09:00 2022-07-19T22:16:36+09:00 第167回芥川龍之介賞の候補作は、以下の5作です。小砂川チト「家庭用安心坑夫」(群像6月号)鈴木涼美「ギフテッド」(文學界6月号)高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」(群像1月号)年森瑛「N/A」(文學界5月号)山下紘加「あくてえ」(文藝夏季号)#芥川賞 — 日本文学振興会 (@shinko_kai) 2022年6月16日 勝手に芥川賞受賞作予想企画、今回も実施します。誰が読んでるのか分からんけど。 初めに、受賞作を予想するにあたって重要視したポイントをあきらかにしておくと、それはひとえに前衛性という部分に集約される。「芥川賞は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文… <blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" data-lang="ja"> <p dir="ltr" lang="ja">第167回<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%CE%B6%C7%B7%B2%F0%BE%DE">芥川龍之介賞</a>の候補作は、以下の5作です。<br />小砂川チト「家庭用安心坑夫」(群像6月号)<br /><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%EB%CC%DA%CE%C3%C8%FE">鈴木涼美</a>「ギフテッド」(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%D5%DC%B3%A6">文學界</a>6月号)<br />高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」(群像1月号)<br />年森瑛「N/A」(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%D5%DC%B3%A6">文學界</a>5月号)<br />山下紘加「あくてえ」(文藝夏季号)<a href="https://twitter.com/hashtag/%E8%8A%A5%E5%B7%9D%E8%B3%9E?src=hash&amp;ref_src=twsrc%5Etfw">#芥川賞</a></p> — <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CB%DC%CA%B8%B3%D8%BF%B6%B6%BD%B2%F1">日本文学振興会</a> (@shinko_kai) <a href="https://twitter.com/shinko_kai/status/1537525421771661312?ref_src=twsrc%5Etfw">2022年6月16日</a></blockquote> <p> <script async="" src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> </p> <p>勝手に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>受賞作予想企画、今回も実施します。誰が読んでるのか分からんけど。</p> <p>初めに、受賞作を予想するにあたって重要視したポイントをあきらかにしておくと、それはひとえに前衛性という部分に集約される。「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>は、雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから選ばれます。」と公式ページにも記されている通り、純文学のフィールド上で作品性が競われるべきで、それでは純文学とはなんぞやと問われれば非常に難しい話ではあるのだが、既存の価値体系の外側を見せてくれるような芸術性、すなわち前衛さを備えた作品だと私は勝手に解釈しており、本記事でもそちらを採用する。ゆえに、たとえ物語としての完成度が高いとしても、新しい価値観を提示できていなかったり、どこか既視感ある部分が見受けられたりすれば、それは受賞作に値しないと判断する。逆に現在の文壇や社会の体制を打破しうるような作品については高く評価することとする(ただし話が面白いことは大前提です)。</p> <p>さて、以上をふまえて、まずは各作品について見ていこう。</p> <p><strong>「ギフテッド」</strong>は、細部の描写がしっかりとしていて作者の筆力は確かなものがあるのだが、正直にいってあまり面白いとは思えなかった。死期迫る母親とホステスの娘との関係を描いているのだが、どうもどこかで何度か見たことのあるような、ありていに言えば使い古された設定で、何か新しい価値観を提示してくれるわけでもなく淡々と進んでいってそのまま終わってしまう。先ほども書いた通り状況の描き方はしっかりとしているからノンフィクションであればいいのかもしれないが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>にふさわしいかと言われればどうなんでしょう。</p> <p><strong>「あくてえ」</strong>は、老いの進んだ「ばばあ」に翻弄される母娘の関係性を描いた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B7%A5%B9%A5%BF%A1%BC%A5%D5%A5%C3%A5%C9">シスターフッド</a>的作品。これもまた既視感のある設定や描写が特に序盤は目立ったのだが、それでも読み進めていくと、なんだろう、主人公たちが本当に不憫で、要するにしっかりと嫌な気持ちになる。嫌な気持ちと言うのは文学にとっては大事なものだと思うし、読者の感情コン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C8%A5%ED%A1%BC%A5%EB">トロール</a>が非常にうまいと思った。これが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%BE%CC%DA%BE%DE">直木賞</a>であれば推した。のだが、やはり何か新しいものを読んだという感覚は残らなかったため、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>の受賞には至らないと判断する。</p> <p>個人的に一番面白く読めたのは<strong>「おいしいごはんが食べられますように」</strong>であった。高瀬隼子は以前の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>候補作となった「水たまりで息をする」も好きな作品で、そちらは「風呂に入る」という常識的習慣を相対化する物語であったが、今回も引き続き「食べる」というありふれた行為を中心に身の回りにあふれた常識に翻弄される人々を描おた物語となっている。前作でも感じたが、著者は人々の繊細な心情とか抑圧されている感情の機微を描く点で天才的であり、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D1%C5%C4%B8%F7%C2%E5">角田光代</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%BC%C5%C4%BA%BB%CC%ED%B9%E1">村田沙耶香</a>の系譜に連なる作家だと私は勝手にラベリングしている。いつか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%A3%C0%F4%CE%CF%BA%C8">今泉力哉</a>監督で映画化希望。ただ、新しさという部分を考えるとどうなんだろうというのが本作についても言えたりします。</p> <p>リアリズムに立脚した候補作が目立つ中、その中で異色を放つのは<strong>「家庭用安心坑夫」</strong>だろう。「(主人公の)<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%C7%C8">小波</a>はいまも実在する廃坑テーマパークに置かれた、坑夫姿の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%CD%A5%AD%A5%F3%BF%CD%B7%C1">マネキン人形</a>があなたの父親だと母に言い聞かされ育つが、やがて東京で結婚した彼女の日常とその生活圏いたるところに、その父ツトムが姿を現すようになって……。」作品紹介をそのまま引用してきたが、きっとこのあらすじでは何が何だか分からないのではないか。だがこれはまさに本作のあらすじで、要は話の筋を説明するのが難しいのだが、それはつまり本作が非常に「変な」話であることの証左でもあり、実際に読んでいる中で何が起こるのか全く分からないという点では他の作品を圧倒していた。途中までは本作が受賞作だと疑わなかったが、しかし読み終わってから、本作が私たちに与えてくれたのは得体のしれない読み心地だけかもしれないと思ったりもして、いやそれだけで十分だというのであればそれは否定しないのであるが、しかし選評ではその点が瑕疵として判断される可能性もありそうか。</p> <p>さて、最後に残ったのは「異例の満場一致で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%D5%DC%B3%A6%BF%B7%BF%CD%BE%DE">文學界新人賞</a>受賞」のうたい文句を引っさげた<strong>「N/A」</strong>。拒食症や生理不順を抱え同性と交際する女子高生を描いた作品、という表面的な筋だけを追えば、ありふれたマイノリティ小説なんだなとため息が出るかもしれないが、本作はそういった設定を(あえて)用いながら、弱者の生きづらさを声高に主張するのではなく、そういった生きづらさ自体を解体してしまうことに主眼を置いていて、そこが良いのである。たとえば<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%B9%C5%E8%CD%AD">長嶋有</a>が新人賞の選評で指摘していたように、主人公が生理を厭う理由として、股から血が出るのが嫌なだけと記述され、それ以外の意味を持たせない。現象に対して実体のない意味づけを行わない、どこまでも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%C2%C2%B8%BC%E7%B5%C1">実存主義</a>的な態度が、記号にあふれた昨今の世界に突き刺さる。またさらに、そういった意味づけを拒否する主人公に対してラストに襲い掛かる「反撃」が作品としての強度を高めている。気遣いであふれる高校生たちの日常に関する描写もリアルさをもって立ち現れており、細部まで繊細に描かれている点も高評価。と、いいこと尽くしで書いてはいるが、実は件ののラストの描写が唐突すぎて些か雑に感じられる部分もあり、いやそれは雑に書くから良いのだということもあるだろうが、しかし足をすくわれるとしたらこの部分だろうか。</p> <p>さて、以上のように各作品について触れ終わったところで、肝心の受賞作の予想で本記事の幕を閉じたい。本命は文壇に新しい価値観を持ち込んだ<strong>「N/A」</strong>、対抗は展開の前衛性に秀でた<strong>「家庭用安心坑夫」</strong>とする。発表は7月<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/20%C6%FC">20日</a>。</p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="第166回芥川龍之介賞 受賞作予想 - オーロラになれなかった人のために" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fok8823.hatenadiary.com%2Fentry%2F2022%2F01%2F15%2F203939" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://ok8823.hatenadiary.com/entry/2022/01/15/203939">ok8823.hatenadiary.com</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="【受賞作予想】第164回芥川龍之介賞 - オーロラになれなかった人のために" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fok8823.hatenadiary.com%2Fentry%2F2021%2F01%2F19%2F235454" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://ok8823.hatenadiary.com/entry/2021/01/19/235454">ok8823.hatenadiary.com</a></cite></p> <p><iframe class="embed-card embed-blogcard" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;" title="【受賞作予想】第162回芥川龍之介賞 - オーロラになれなかった人のために" src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fok8823.hatenadiary.com%2Fentry%2F2020%2F01%2F13%2F174831" frameborder="0" scrolling="no"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://ok8823.hatenadiary.com/entry/2020/01/13/174831">ok8823.hatenadiary.com</a></cite></p> <p> </p> ok8823 湯浅政明『犬王』 hatenablog://entry/13574176438100936457 2022-06-11T10:58:32+09:00 2022-06-11T11:29:55+09:00 『犬王』を見てきた。最高だった。勢いで、人生捨てたもんじゃないなとツイートした。はた目からは病んだ人間のつぶやきにしか見えないかもしれないが、まあそういうわけではなくて、エンターテインメントの素晴らしさ、つまり、想像力には現実に美しい色を添える力があるのだと、改めて確信できた点に重きがある(のだが、変に邪推されないか不安でもある)。 本作の題材となった犬王は、室町時代に活躍したとされる能楽師であるが、作品は現存しておらず、いわば忘れられたポップスターとでも言えようか、彼がどういった舞を見せ、どのように人々を魅了してきたのか、その手掛かりは残滓すら残されていない。では、犬王や彼の舞を目にした人々… <p><iframe id="widget4" src="https://www.youtube.com/embed/BqheWziqFig?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe></p> <p>『犬王』を見てきた。最高だった。勢いで、人生捨てたもんじゃないなとツイートした。はた目からは病んだ人間のつぶやきにしか見えないかもしれないが、まあそういうわけではなくて、エンターテインメントの素晴らしさ、つまり、想像力には現実に美しい色を添える力があるのだと、改めて確信できた点に重きがある(のだが、変に邪推されないか不安でもある)。</p> <p>本作の題材となった犬王は、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%BC%C4%AE%BB%FE%C2%E5">室町時代</a>に活躍したとされる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C7%BD%B3%DA%BB%D5">能楽師</a>であるが、作品は現存しておらず、いわば忘れられたポップスターとでも言えようか、彼がどういった舞を見せ、どのように人々を魅了してきたのか、その手掛かりは残滓すら残されていない。では、犬王や彼の舞を目にした人々の熱狂は、歴史に残されていないあれこれは、つまりなかったことと同義なのであろうか。そうではない、我々が思いを寄せることで、想像の力で手繰り寄せることで、彼らの生は無条件に肯定される。そういった鎮魂と想像こそが本作の根幹であり、私は本作を見終わった後にこんな小説の一説を思い出した。</p> <blockquote> <p>そこらに立っとる石碑石仏墓石を見んかい、伝わらんでも人の思いが残る法もあると知らせとるがな。その思いを後世の人間が汲んでやれば、当人たちも報われるっちゅうもんやないか。(乗代雄介「皆の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%E9%A4%D0%A4%B7%A4%EA">あらばしり</a>」)</p> </blockquote> <p>しかし、鎮魂や想像は別に改まったものである必要はない。湿っぽいものに留まる義理もない。先人たちの霊を思う祭りごとと同じように、派手に、面白く、愉快に踊り狂う景色を想像の世界に仮託するのもよいだろう。</p> <p>琵琶法師・友魚がかき鳴らす<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%EC%A5%AD%A5%AE%A5%BF%A1%BC">エレキギター</a>のような音色となり、犬王の舞はどこまでも現代的であり、舞台演出は明らかに現代技術が用いられており、そして観衆たちは夏フェスのように手を打ち鳴らして熱狂する。室町の世界に、そんな景色はなかったかもしれない。なかったかもしれないが、あったかもしれない。そんなことはどうでもよくて、ただただ風景が想像力の中で爆発する。それは、同じく京都を舞台と下<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B9%B8%AB%C5%D0%C8%FE%C9%A7">森見登美彦</a>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%C0%CD%DB%A4%CE%C5%E3">太陽の塔</a>」のクライマックス、ええんじゃないか騒動が共鳴する。</p> <blockquote> <p>それから後に巻き起こった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%CD%BE%F2%B2%CF%B8%B6%C4%AE">四条河原町</a>ええじゃないか騒動について、正確に書くのは難しい。なぜなら、あまりにも大きく膨れ上がった怒涛のような騒ぎに巻き込まれて、私にも全体どういう騒ぎになっているのか分からなかったからである。ちょうど<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%C0%B1%E0%BA%D7">祇園祭</a>のただ中にいるようなものだった。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%CD%BE%F2%B2%CF%B8%B6%C4%AE">四条河原町</a>を中心に騒動は縦横に広がり、夜空へ「ええじゃないか」の声が響き渡って、クリスマスイブを吹き飛ばしてしまった。押し合いへしあいする人々が楽しそうに叫んでいた。夜の明かりに照らされた人々の顔は、ぼうっとして上気していた。(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B9%B8%AB%C5%D0%C8%FE%C9%A7">森見登美彦</a>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%C0%CD%DB%A4%CE%C5%E3">太陽の塔</a>」)</p> </blockquote> <p>現代も過去もない。現実も虚構もない。そこには、ただイメージがある。</p> <p>私はこの映画を見て、良かったと思った。それは、いつかどこかで私が今日このとき思ったことを拾ってくれるかもしれないと思ったから。何百年後、私の体躯は朽ち果てて、歴<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%CB%BD%F1">史書</a>のどこにも名前はないだろうが、それでも、私の思念だけは残存し続けて、あったかもしれない内面として誰かに想像されるかもしれない。それほど嬉しいことはない。世界は思ったよりも美しいのだと、それを知る。映画は世界の言葉を拾って、どこまで伸びていく。巨大樹の頂上から見渡す世界の風景は、思ったよりも悪くない見晴らしだ。</p> ok8823 第166回芥川龍之介賞 受賞作予想 hatenablog://entry/13574176438052972881 2022-01-15T20:39:39+09:00 2022-01-15T20:39:50+09:00 芥川賞候補作を全て読み終わったため、各作品の感想と受賞作の予想を書き記す。 最も身体に迫る気迫を感じたのは砂川文次「ブラックボックス」であった。読了後しばらく鉄アレイで後頭部をぶん殴られたようなショックからしばらく抜けだすことができなかった。いわゆる”社会の底辺”で生きる男が破滅していく様が描かれる物語。そのように記せば得てして社会派小説と受容されかねないが、本作はそれ以上にひとりの人間の生をひたすらに描かれており、社会という問題を語る以前に存在するひとりひとりの人間の生を現前させる。また、「保険とか扶養とか、見るだけで言葉の意味と音とが空中分解sるような単語をつかいこなせることが大人になった… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>候補作を全て読み終わったため、各作品の感想と受賞作の予想を書き記す。</p> <p>最も身体に迫る気迫を感じたのは<strong><a href="https://honto.jp/netstore/pd-book_31415184.html">砂川文次「ブラックボックス」</a></strong>であった。読了後しばらく鉄アレイで後頭部をぶん殴られたようなショック<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AB%A4%E9%A4%B7">からし</a>ばらく抜けだすことができなかった。いわゆる”社会の底辺”で生きる男が破滅していく様が描かれる物語。そのように記せば得てして社会派小説と受容されかねないが、本作はそれ以上にひとりの人間の生をひたすらに描かれており、社会という問題を語る以前に存在するひとりひとりの人間の生を現前させる。また、「保険とか扶養とか、見るだけで言葉の意味と音とが空中分解sるような単語をつかいこなせることが大人になったりちゃんとしたりすることなんだ」と思いながらも、勉学に勤しんでこなかった男にはそのような「ちゃんとした言葉」が理解することができず、結果としてそのことが彼に破滅をもたらした点も非常に印象的であった。一般的に社会とのつながりの象徴として描かれることの多い言葉によって、逆に社会と乖離させられる。想像の共同体である社会よりももっとリアルな現実を見せつけられる。淡々と書き進めらながらも肉体感を持った文体も物語の孕む焦燥感をドライブさせる。本作によって書き示された現実感は他作品を圧倒していた。</p> <p><strong><a href="https://www.shinchosha.co.jp/book/354371/">乗代雄介「皆のあらばしり」</a></strong>についてはどうだろうか。元来のファンである筆者は乗代氏の作品をこまなくチェックしており、もちろん本作も候補となる前に文芸誌上で読了していたが、こちらが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>候補に選ばれたことを知ったときは少し驚いたとともに”もったいない”と思った。幻の歴<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%CB%BD%F1">史書</a>を探求するなぞ解き要素も含んだ物語であるが、いかんせん”<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>っぽくない”。「最高の任務」や前作「旅する練習」(大傑作!)は”書くこと”をめぐる、純文学然とした内容であったが、本作は少しコンセプトアルバム的な立ち位置のように思えてしまったのだ。もちろん作品としては最高に面白いのであるが、限られたノミネート回数の一回として今作で候補作入りしてしまうのはもったいない気がしてならなかった。しかしながら改めて本作を読み返すと、ものごとを書き残すことへの切実な思いが作品全体を通底していることに気が付き、エンタメ性を備えた純文学としての一面を全く持って失っていないことに気が付く。「でもな、そこらに立っとる石碑石仏墓石を見んかい、伝わらんでも人の思いが残る法もあると知らせとるがな。その思いを後世の人間が汲んでやれば、当人たちも報われるっちゅうもんやないか」と語られるセリフが、負け戦に勤しむ私たちの光となって眩しい。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%C9%BD%F1%A5%E1%A1%BC%A5%BF%A1%BC">読書メーター</a>に投稿した内容をそのまま転載する。</p> <blockquote> <p>ほとんどの人々が気に掛けることもないだろうが確かに存在した歴史的人物の残した書物をめぐる物語。何かを知ろうとすることは、その何かや誰かが精いっぱいに伝えようとした何かに真摯に耳を傾けるということである。即時的に伝わらないことでも、思いだけは残存し、いつか誰かに伝わる可能性を内包し続ける。その連鎖への信奉こそが文学の核なのかもしれない。知ること、学ぶことの愉悦と興奮を味わえる一冊。</p> </blockquote> <p>最も大きな文学的野望を感じたのは<a href="https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000361983"><strong>島口大樹「オン・ザ・プラネット」</strong></a>であった。デビュー作「鳥がぼくらは祈り、」で全く新しい文体をお披露目した新進気鋭の若手作家による第二作は、記憶や時間といった人間の根本に迫る哲学的思弁を転がしながら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C4%BB%BC%E8%BA%BD%B5%D6">鳥取砂丘</a>を目指す四人組を描いた青春ロードノベル(?)。思いだす事などに対する島口氏のまなざしは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%EC%B8%FD%CD%AA%C0%B8">滝口悠生</a>にも通ずるものがあり非常に興味深い。また、旅という要素によって、観念に終始する虚構的な作品に陥らずに身体性や現実性を確保している点も素晴らしい。今後の作品もずっと追いかけていきたい才能であるし、初ノミネートから一気に受賞する可能性も十分に秘めていると考える。</p> <p><strong><a href="https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000361983">九段理江「Schoolgirl」</a></strong>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%C0%BA%CB%BC%A3">太宰治</a>「女生徒」を題材とした作品であり、かつ、同作のサンプリングとも云うべき文体やモチーフによって構成されている。かさぶたを容赦なく剥がして傷口に指を突っ込むような痛々しさをしっかりと書ききれる作家だと評価したが、母娘の寄り添う過程にもう少し筆を割いても良かったのではないかと思われる。とはいえ、こちらも今後注目していきたい作家であることに間違いはない。</p> <p>最後に、<strong><a href="https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-771788-4">石田夏穂「我が友、スミス」</a></strong>。題名からはまったくわからないのだが、まさかの筋トレ小説。身体性の表現という部分では候補作の中で一番であったと思われる。また、その最大の特徴はブログ記事のようなひょうきんな文体にあると思われるが、それは逆に安っぽさを演出してしまっている感もある。内容としては非常に興味深く読めた。</p> <p>以上をまとめて受賞作を予想する。私の中での評価は砂川文次「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%AF%A5%DC%A5%C3%A5%AF%A5%B9">ブラックボックス</a>」が最も高かった。三度目のノミネートということも追い風になるのではないか。また乗代雄介「皆の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%A2%A4%E9%A4%D0%A4%B7%A4%EA">あらばしり</a>」島口大樹「オン・ザ・プラネット」の受賞も十分考えられ、今回は上記三作のうち二作品の同時受賞になるのではないか。組み合わせを一つに決めるのであれば、<strong>砂川文次・乗代雄介の二名同時受賞</strong>を筆者の受賞予想とすることにする。</p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fok8823.hatenadiary.com%2Fentry%2F2021%2F01%2F19%2F235454" title="【受賞作予想】第164回芥川龍之介賞 - オーロラになれなかった人のために" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://ok8823.hatenadiary.com/entry/2021/01/19/235454">ok8823.hatenadiary.com</a></cite></p> ok8823 2021年12月31日の日記 hatenablog://entry/13574176438048180825 2022-01-03T16:56:13+09:00 2022-01-15T20:40:22+09:00 大晦日。犯罪的な寒さ。実家に帰るかどうか迷った挙句、3時間の大作ということで後回しにしていた『ドライブ・マイ・カー』を観るために吉祥寺に行くことにした。JR吉祥寺駅駅直結のアトレを通って、北口の平和通り(調べたらそういう名前らしい)を歩いてパルコへと向かう。寒い。地下二階のアップリンク吉祥寺で半券を購入。時計を見ると、いや、スマホを見ると、12時を少し過ぎたところ。上映自体は15時からなので時間がある。だいぶ早めに到着したのには、というよりオンライン決済をせずに現地購入を選んだのには理由があって、なんと年末はメンテナンスでオンライン決済ができないらしく、早めにやってきた。時間つぶしに街をめぐる… <p>大<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A2%C6%FC">晦日</a>。犯罪的な寒さ。実家に帰るかどうか迷った挙句、3時間の大作ということで後回しにしていた『ドライブ・マイ・カー』を観るために吉祥寺に行くことにした。JR<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%C8%BE%CD%BB%FB%B1%D8">吉祥寺駅</a>駅直結のアトレを通って、北口の平和通り(調べたらそういう名前らしい)を歩いてパルコへと向かう。寒い。地下二階の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C3%A5%D7%A5%EA%A5%F3%A5%AF">アップリンク</a>吉祥寺で半券を購入。時計を見ると、いや、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>を見ると、12時を少し過ぎたところ。上映自体は15時からなので時間がある。だいぶ早めに到着したのには、というよりオンライン決済をせずに現地購入を選んだのには理由があって、なんと年末はメンテナンスでオンライン決済ができないらしく、早めにやってきた。時間つぶしに街をめぐることにする。地下一階の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C7%A5%A3%A5%B9%A5%AF%A5%E6%A5%CB%A5%AA%A5%F3">ディスクユニオン</a>にはたくさん人がいてガンガンに音楽を流していた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A5%DE%A5%AC%A5%B8%A5%F3">ミュージックマガジン</a>2月号を立ち見。2021年ベストアルバム、J-pop部門で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%E5%C7%F2%C0%D0%CB%A8%B2%BB">上白石萌音</a>『あの歌』が選ばれていて嬉しかった。本当に良いカバーばかりです<a href="#f-5ac79fe0" name="fn-5ac79fe0" title="特におすすめしたいのは布施明「君は薔薇より美しい」である。その他に個人的によく聴いた今年のアルバムは、ミツメ『Ⅵ』haruka nakamura『nujabes PRAY Reflections』安部勇磨『ファンタジア』羊文学『you love』Homecomings『Moving Days』あたりです。楽曲単位では先日記事を出しております。">*1</a>。</p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fok8823.hatenadiary.com%2Fentry%2F2021%2F12%2F30%2F221306" title="2021年邦楽マイベスト(シングル) - オーロラになれなかった人のために" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://ok8823.hatenadiary.com/entry/2021/12/30/221306">ok8823.hatenadiary.com</a></cite></p> <p>続いてごはんを食べようとパルコを出て、コピエの方に歩いていく。商店街には大量の人がいてちょっとうんざり。寒空の下、大<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DF%A4%BD%A4%AB">みそか</a>の街は新年の買い出しに勤しむ人々の活気で満たされていて、その中でひとり背中を丸めて歩く自分の姿が何だか情けなくなる。ラーメンでも食べようと街をうろうろするが青葉もぶぶかもどこもかしこも混んでいて、寒空の下で行列に並ぶのは考えるだけで辟易するので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%C8%CC%EE%B2%C8">吉野家</a>に立ち入る。年末に牛丼チェーンに迷い込む哀れな子羊も自分一人であろうと思っていたが、案外に席はいっぱいで、独り身の男たちや家族連れでにぎわっていた。牛丼を食べようと心に決めて入店したはずだったが、牛すき鍋ごぜんが余りにあったかさそうだったので浮気してまった。味付けが異様に甘ったるい。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%C8%CC%EE%B2%C8">吉野家</a>は全体的に味付けが濃い気がする。しかし牛丼はチェーンの中で一番おいしいはずだ。牛丼チェーンはずっと<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%B2%B0">松屋</a>派なのだが、これは実家や高校の近くにあったのが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%B2%B0">松屋</a>だったからという理由しかない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%B2%B0">松屋</a>の本領は何といっても味噌汁がタダでついてくるという点にあるが、この歳にもなるとあれはただの食塩水にしか感じなくなっている。海外旅行に出かけて暫くすると、ああ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%B2%B0">松屋</a>の味噌汁でもいいから出汁の利いたものを口にしたい、となりがちだったが。まあそんなことはどうでもよいのだが、寒暖差でくしゃみが止まらない。マスクで全て受け止めるのだが、我ながらきったねえってなる。食べ終わって<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>を見ると13時くらい。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%C3%A5%D7%A5%EA%A5%F3%A5%AF">アップリンク</a>に戻って、待合スペースのベンチに座る。ずいぶん前に古本屋で買ったままになっていた『ニッポンの海外旅行』という新書を読んでいたのだが、思っていたよりずっと良い出来であった。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%C9%BD%F1%A5%E1%A1%BC%A5%BF%A1%BC">読書メーター</a>に投稿した感想をそのまま引用する。</p> <blockquote> <p>我が国における海外旅行の受容のされ方について、文化・経済の両面からその推移を辿る良書。印象的だった点を紹介。①近代以降の日本の観光文化は、江戸時代の「お<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%CB%C0%AA%BB%B2%A4%EA">伊勢参り</a>」から陸続きであるゆえに、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%B5%C1">大義</a>名分を要する団体旅行が主であった(P41)。② 1960年代以降の海外旅行においては一般的に「歩く」という社会的行為によってその土地の地理や都市構造に自らの認識を合わせていくことに価値が置かれたが(p79)、90年代以降ス<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B1%A5%EB%A5%C8">ケルト</a>ン・ツアー(短期旅行)が主流になるにつれて7歩く」行為が失われてきている。</p> </blockquote> <p>上記の感想では漏れているが、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%B5%E5%A4%CE%CA%E2%A4%AD%CA%FD">地球の歩き方</a>」の歴史みたいなことも触れられていて面白かった。多少なりとも海外旅行をしてきた人間としては、なんどもお世話になった愛着深い本であるが、その成り立ちみたいなことに思いを馳せたことはなかった。コロナでシリーズの存続も危ぶまれているが、東京版を出したり、いろいろなテーマで「旅の図鑑シリーズ」なるものを刊行していたりして、そのしたたかさには恐れ入る。先日の「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%C8%A1%BC%A1%BC%A5%AF%A1%AA">アメトーーク!</a>本屋で読書芸人」で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%BA%A5%EC%A1%BC%A5%B6%A1%BC">カズレーザー</a>が紹介していた(らしい)『世界のすごい巨像』はとってもおすすめです。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065598/hatena-blog-22/" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41w2AmRBLpL._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)" title="ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065598/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%20%C0%BF" class="keyword">山口 誠</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%DE%CB%E0%BD%F1%CB%BC">筑摩書房</a></li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065598/hatena-blog-22/" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B09BZ1DB22/hatena-blog-22/" class="hatena-asin-detail-image-link" target="_blank" rel="noopener"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51VciOSoAqL._SL500_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="W08 世界のすごい巨像 巨仏・巨神・巨人。一度は訪れたい愛すべき巨大造形を解説 (地球の歩き方W)" title="W08 世界のすごい巨像 巨仏・巨神・巨人。一度は訪れたい愛すべき巨大造形を解説 (地球の歩き方W)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B09BZ1DB22/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">W08 世界のすごい巨像 巨仏・巨神・巨人。一度は訪れたい愛すべき巨大造形を解説 (地球の歩き方W)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%B5%E5%A4%CE%CA%E2%A4%AD%CA%FD">地球の歩き方</a></li> </ul> <a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B09BZ1DB22/hatena-blog-22/" class="asin-detail-buy" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p>さて令和3年の大<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A2%C6%FC">晦日</a>に話を戻そう。しばらく読書を続けていたが、背もたれのないタイプのベンチであったため、私の体のあちこちが限界に達していた。肩がこる。背中が痛いなどなど。これだったら小銭をケチらずにカフェでも入ってしまった方がよかったなと後悔する。この歳になってもそんなことばかりで、根っからの貧乏性だと思う。直ることはあるのだろうか。肝心の映画『ドライブ・マイ・カー』について。良いと思えるシーンも多かったが(特に高槻と対峙するシーンで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B0%B1%BA%C6%A9%BB%D2">三浦透子</a>がミラーをちらっと確認するところ)、理解しきれない部分が多くて消化不良であった。おそらくなのだが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%EA%A5%B9%A5%C8%B6%B5">キリスト教</a>的な価値観や倫理観を身に着けておくともう少し理解ができる気がしたので、いくつか解説を漁ってみようと思う。本質から少し外れるが、舞台として使われた瀬戸内の離島でのショットはとても良かった。調べたら<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%E2%BB%D4">呉市</a>の御手洗という地域がロケ地らしい。いつか行ってみたい。</p> <p>吉祥寺を去って最寄り駅に戻ったのは19時前。年越しそば代わりにラーメンでも食べて帰ろうかと思ったがどこも既にのれんを下ろしていた。そうだよな。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%D6%A5%F3%A5%A4%A5%EC%A5%D6%A5%F3">セブンイレブン</a>で冷凍食品のマーボーナスを買って帰路につく。しかしまあ、本当に寒い。凍えるほどに。いつかきっとひとり寂しく日の暮れた道を歩いた2021年の大<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DF%A4%BD%A4%AB">みそか</a>をいつか思い出すこともあるんだろうな、なんて、無理やりにでもこの寂しさに意味があるように思うようにしてみると案外にそれっぽい雰囲気にはなる。家について、シャワーを浴びて、ごはんを食べて、テレビもつけずに、ふったび読書していたら、なぜだか左のひとさしゆびが刃物でぱっくり切られて肉が割けるイメージが頭の中でとめどなく溢れてくる。なにを暗示しているのでもないだろう、この無為に痛いだけのイメージを抱えて、私の2021年は過ぎていった。</p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-5ac79fe0" name="f-5ac79fe0" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">特におすすめしたいのは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C9%DB%BB%DC%CC%C0">布施明</a>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%AF%A4%CF%E9%AC%E9%AF%A4%E8%A4%EA%C8%FE%A4%B7%A4%A4">君は薔薇より美しい</a>」である。その他に個人的によく聴いた今年のアルバムは、ミツメ『Ⅵ』haruka nakamura『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/nujabes">nujabes</a> PRAY Reflections』<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%C2%C9%F4%CD%A6%CB%E1">安部勇磨</a>『ファンタジア』羊文学『you love』Homecomings『Moving Days』あたりです。楽曲単位では先日記事を出しております。</span></p> </div> ok8823 2021年邦楽マイベスト(シングル) hatenablog://entry/13574176438047709922 2021-12-30T22:13:06+09:00 2022-01-15T20:40:13+09:00 1. ミツメ / Basic(feat.STUTS) 今年は今まであまり聞いてこなかったポップミュージックを意識的に聴くようにした一年でしたが、結局はずっと前から好きなミツメが一番でした。STUTSとのコラボが功を奏し、サイケデリックさを維持したままポップにまとめられており、圧倒的な仕上がりとなっている。 2. Vaundy / 踊り子 Vaundyについてはあまり知らなかったのだが、この曲は他のどの曲よりも圧倒的に良いと思った。低体温ながら確実に身体に忍び込んでくる音と言葉の心地よさが何度も曲を再生せてしまう。米津以降の我が国のポップ音楽シーンにおいて、現在のところ最高地点にいるのではないだ… <p><strong>1. ミツメ / Basic(feat.STUTS)</strong></p> <p>今年は今まであまり聞いてこなかったポップミュージックを意識的に聴くようにした一年でしたが、結局はずっと前から好きなミツメが一番でした。STUTSとのコラボが功を奏し、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%B1%A5%C7%A5%EA%A5%C3%A5%AF">サイケデリック</a>さを維持したままポップにまとめられており、圧倒的な仕上がりとなっている。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/nQ2rpZ3ziDg?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget4"></iframe><br /><br /></p> <p> </p> <p><strong>2. Vaundy / 踊り子</strong></p> <p>Vaundyについてはあまり知らなかったのだが、この曲は他のどの曲よりも圧倒的に良いと思った。低体温ながら確実に身体に忍び込んでくる音と言葉の心地よさが何度も曲を再生せてしまう。米津以降の我が国のポップ音楽シーンにおいて、現在のところ最高地点にいるのではないだろうか。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/7HgJIAUtICU?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget11"></iframe></p> <p> </p> <p><strong>3. マカロニえんぴつ / なんでもないよ、</strong></p> <p>前々からウェルメイドな作品を作っているバンドだと認識していたが、彼らが醸し出すキャッチ―な身のこなしがゆえに好きになり切れていなかったきらいがある。だが、昨年の「恋人<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B4%A4%C3%A4%B3">ごっこ</a>」でついに好きなバンドとして認識するようになった。本作も、なんだろう、素朴で素晴らしい。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/2k21MgVKg4o?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget15"></iframe><br /><a href="https://www.youtube.com/watch?v=2k21MgVKg4o"> </a></p> <p> </p> <p><strong>4. 羊文学 / <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DE%A5%E8%A5%A4%A5%AC">マヨイガ</a></strong></p> <p>映画『花束みたいな恋をした』において、新世代カルチャーの象徴として言及されていた羊文学。ここまであまりハマり切れていなかったのだが、アニメ『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%BF%B2%C8%CA%AA%B8%EC">平家物語</a>』のオープニングテーマとして内定している「光るとき」(音源未発表)の出来があまりにも素晴らしかったので、過去作を遡っていくうちに、この曲にたどり着いた。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/W4TOXpA7ktI?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget17"></iframe><br /><a href="https://www.youtube.com/watch?v=W4TOXpA7ktI"> </a></p> <p> </p> <p><strong>5. A_o / BLUE SOULS</strong></p> <p>突き抜ける青を歌うアイナ・ジ・エンドのボー<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%EA%A5%B9%A5%C8">カリスト</a>としての可能性を再認識した一曲。Bishの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CE%CC%BE%C5%D9">知名度</a>や、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%AB%A5%EA%A5%B9%A5%A8%A5%C3%A5%C8">ポカリスエット</a>のCMで話題になったこと、そして何より楽曲の良さを考えると、もっと人口に膾炙されてもよかったはずだ。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/33ZWA1GrrXY?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget19"></iframe><br /><br /></p> <p><strong>6. 銀杏BOYS / 少年少女</strong></p> <p>アニメ『Sunny Boy』の主題歌は、「Baby Baby」以来のド直球のロックソングだ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%DB%C0%A4%B3%A6">異世界</a>を漂流する少年少女のもがき苦しみを賛美する。汗まみれの青春を歌わせて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%F7%C5%C4%CF%C2%BF%AD">峯田和伸</a>の右に出るものはいない。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/7VYqcCLIx0s?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget21"></iframe><br /><a href="https://www.youtube.com/watch?v=7VYqcCLIx0s"> </a></p> <p> </p> <p><strong>7. 藤井風 / 旅路</strong></p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%C0%BA%CB%BC%A3">太宰治</a>の如き相貌で「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%DA%CC%CA%A4%CE%A5%CF%A5%F3%A5%AB%A5%C1%A1%BC%A5%D5">木綿のハンカチーフ</a>」を弾き語る青年を低画質のカメラがとらえるその動画に魅せられたのはいつのことだろうか。いつしか世間に知られるかもしれないと嘯いていたユーチューブのコメント欄の民たちと同じように、私もまた、あっという間にスターダムを駆け上っていく藤井の姿に驚きと賞賛を送るのである。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/29p8FvT_puU?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget25"></iframe><br /><br /></p> <p><strong>8. <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%B1%CC%EE%B8%BB">星野源</a> / 不思議</strong></p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%B1%CC%EE%B8%BB">星野源</a>のすばらしさは今更つたえることもないだろうが、それでも、ブラックミュージックを換骨奪胎して、日本の人々の鼓膜に最大公約数的にマッチする音楽を作り続けていることには頭が上がらない。『ばかのうた』からのリスナーとしては少し寂しくもあるのだが...。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/ilnLczvLGAY?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget27"></iframe><br /><br /></p> <p><strong>9. <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%C0%BB%A4%AB%A4%DE%A4%C3%A4%C6%A4%C1%A4%E3%A4%F3">神聖かまってちゃん</a> / 僕の戦争</strong></p> <p>実は『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%CA%B7%E2%A4%CE%B5%F0%BF%CD">進撃の巨人</a>』を見ていた時はそのOPが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%C0%C0%BB%A4%AB%A4%DE%A4%C3%A4%C6%A4%C1%A4%E3%A4%F3">神聖かまってちゃん</a>のものだとは気が付かなかった。『友達を殺してまで』のころと比べて、音も売れ方も全くスケールが比べ物にならなかったからである。だがしかし、よく耳を傾ければ、彼らがこれまで歌い続けてきた、どうしようもない日常に対する抗いが、本作でもしっかりと叫ばれているではないか。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/gYuO6OUm6SQ?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget29"></iframe><br /><br /></p> <p><strong>10. <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A1%BC%A5%D7%A5%CF%A5%A4%A5%D7">クリープハイプ</a> / しょうもな</strong></p> <p>歌声が生理的に無理、みたいな酷い理由で食わず嫌いしてきた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A1%BC%A5%D7%A5%CF%A5%A4%A5%D7">クリープハイプ</a>だが、ユーチューブのおすすめ機能でたまたま聴いた本作は、もうケチも付けられないくらいいい曲だった。他の曲もしっかり聴いてみようかしら。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/byBlNvY36EE?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget31"></iframe><br /><br /></p> <p> </p> <p>シングルA面の曲から10作選びました。入りきらなかったけれど、ヒゲダンの二作品、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%A7%C2%BF%C5%C4%A5%D2%A5%AB%A5%EB">宇多田ヒカル</a>「One Last Kiss」とかもよかったです。</p> <p> </p> ok8823 2021年10月3日の日記 hatenablog://entry/13574176438018736104 2021-10-03T23:40:41+09:00 2022-01-15T20:40:22+09:00 起き抜けの体に最大照度の陽光が打ち付けている。枕もとに置かれたスマートフォンを手に取る。9時3分。休日の膨大さに甘えて、即座に起き上がることはなく、布団の中でぬくぬくとしている。YouTubeやTwitterを何周かして、伸びをすると、気が付くと10時。時間どろぼうめ。 顔を洗って、今日一日なにをしようか考える。何も予定はないが、これほど良好な天気の下で何もしないのも罰が当たる気がする。計画を立てるためにグーグルマップを適当に開く。海に行きたいとか思ってみたが、武蔵野からまともな海を拝むためには結構な遠出となる。一番近くて江の島か(お台場や芝浦は海だが海ではない)。往復運賃は1500円以上と出… <p>起き抜けの体に最大照度の陽光が打ち付けている。枕もとに置かれた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A1%BC%A5%C8%A5%D5%A5%A9%A5%F3">スマートフォン</a>を手に取る。9時3分。休日の膨大さに甘えて、即座に起き上がることはなく、布団の中でぬくぬくとしている。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/YouTube">YouTube</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Twitter">Twitter</a>を何周かして、伸びをすると、気が付くと10時。時間どろぼうめ。</p> <p>顔を洗って、今日一日なにをしようか考える。何も予定はないが、これほど良好な天気の下で何もしないのも罰が当たる気がする。計画を立てるためにグーグルマップを適当に開く。海に行きたいとか思ってみたが、武蔵野からまともな海を拝むためには結構な遠出となる。一番近くて江の島か(お台場や芝浦は海だが海ではない)。往復運賃は1500円以上と出て辞めた。どうせ行くなら思いっきり早起きして行くことにしよう。</p> <p>朝食をとって洗濯して服を着替えて、11時半になってもまだ予定は決まらない。近場の阿佐ヶ谷や高円寺、吉祥寺は行きつくした感じがする。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D0%BF%C0%B0%E6%B8%F8%B1%E0">石神井公園</a>なんかは余り行かないがバスでしか行けないから気が乗らない。なんとなく古本屋めぐりがしたいと思い適当に検索すると早稲田は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%BD%F1%C5%B9">古書店</a>街として有名らしく、実はほとんど行ったことがないことに気が付いて、そこに決めた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%AE%B7%A6%B1%D8">荻窪駅</a>から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%C0%BE%C0%FE">東西線</a>で一本なのも都合がよい。</p> <p>13時頃、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%E2%C5%C4%C7%CF%BE%EC%B1%D8">高田馬場駅</a>で下車。地上に出ると、まさに学生街といった趣。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%E2%C5%C4%C7%CF%BE%EC">高田馬場</a>は駅前ぐらいしか歩いたことがなかった。早稲田通りをひたすら東に進む。地図を見る限り、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%F1%C6%BB305%B9%E6%C0%FE">国道305号線</a>、いわゆる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%C0%BC%A3%C4%CC%A4%EA">明治通り</a>との交差点を過ぎたあたりから早稲田<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%BD%F1%C5%B9">古書店</a>街が始まるようである。</p> <p>ところで、交差点を過ぎても神保町のような景色は見えてこない。そればかりか<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%BD%F1%C5%B9">古書店</a>はどれもこれも休みだった。街として日曜日を休業日にしているといった話はネットで調べても出てこないが、開いていない以上は仕方がない。徒然に街の景色を眺めながら歩いていると、一軒だけ営業している<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%BD%F1%C5%B9">古書店</a>に出会うことができた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Opera">Opera</a> Buffというお店で、店外に並べられた文庫新書200円均一は気になるものが多く、6冊ほど手に取ってしまったが、自分の部屋に積まれた書籍の山を思い出し、泣く泣く二冊だけにしぼって会計した。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065598/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" src="https://m.media-amazon.com/images/I/41w2AmRBLpL._SL500_.jpg" border="0" alt="ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)" title="ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)" loading="lazy" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065598/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">ニッポンの海外旅行 若者と観光メディアの50年史 (ちくま新書)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B8%FD%20%C0%BF">山口 誠</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%DE%CB%E0%BD%F1%CB%BC">筑摩書房</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480065598/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480056645/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" src="https://m.media-amazon.com/images/I/41FE1TSBRNL._SL500_.jpg" border="0" alt="民俗学への招待 (ちくま新書 (064))" title="民俗学への招待 (ちくま新書 (064))" loading="lazy" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480056645/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">民俗学への招待 (ちくま新書 (064))</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%DC%C5%C4%20%C5%D0">宮田 登</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%DE%CB%E0%BD%F1%CB%BC">筑摩書房</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480056645/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p>店を出ると、道の反対側に本殿のような建築物を見つけた。「見つけた」と書いてはみたが、実際の順序としては建築物を目にしてから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%C5%BD%F1%C5%B9">古書店</a>に入店したのであり、執筆にあたっての脚色を加えている。そのような正確さの隠蔽は、書くこと一般における不誠実として捉えられるのか否かはよくわからないが、まったく事情を語らないでいることによる良心の呵責、そんな無駄な自己負担が種明かしひとつで回避されるんであれば、といった算段であることをあえて自白することにする。</p> <p>さて、道を渡ると、例の建築物は穴<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%AC%C8%A8%B5%DC">八幡宮</a>と呼ばれる神社であるとわかった。浅学ゆえに名前を耳にしたことすらもなかったが、由緒を語る看板を読むと、康平5年(1062)の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%B0%B6%E5%C7%AF%A4%CE%CC%F2">前九年の役</a>にて奥州の豪族・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%C2%C7%DC%BB%E1">安倍氏</a>を平定した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%BB%B5%C1%B2%C8">源義家</a>が、凱旋の際ここに的山を築き、兜と太刀を納めて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%AC%C8%A8%BF%C0">八幡神</a>を祀ったことにはじまるという<a href="#f-11d0149d" name="fn-11d0149d" title="もちろん一言一句覚えているわけではなく、このページから殆ど引用しているが、本文では流れを妨げることになるので断りは入れていない。これもまた日記における脚色の是非に繋がる問題である">*1</a>。ずいぶんと由緒のある神社のようで恐れ入りました。本殿にてしっかりとこうべを垂れてきた。正門から出ると、こんな感じ。</p> <p><img class="hatena-fotolife" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/ok8823/20211003/20211003234117.jpg" border="0" alt="f:id:ok8823:20211003234117j:image" title="f:id:ok8823:20211003234117j:image" width="1024" height="768" loading="lazy" /></p> <p>この辺りでのども乾いたので<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BF%A5%EA%A1%BC%A5%BA">タリーズ</a>にて休憩。持ってきた本を読んでいると、周りの席で、早稲田大生と思わしき男が後輩に動画編集の技法を伝授していた。何の団体に属しているのか分からないが、その学生の話しぶりがどこか自分に酔っている感じがして鼻につく。どことなく教わっている後輩君も不満を覚えているように見受けられたが、それはただの思い込みかもしれない。「まどかはめちゃくちゃ飲み込みが早かった」「まどかのときはどうしたかな」「まどかは」まどかと呼ばれる、おそらく女子と思わしき人物の名前が多用されており、彼の胸中に「まどか」が占める割合の高さを垣間見ることができたのは面白かったが。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%DE%A5%DB">スマホ</a>を見ると15時45分。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%DE%FB%C0%D0%BB%B3%CB%BC">漱石山房</a>がほど近いところにあると知って、店を出た。途中で早稲田通りを外れるのだが、坂道を暫く上ったところで道を間違えていたことに気が付いた。戻る途中で石碑が設置されていることに気が付き、名の知れた坂なのだろうと思えば、実はこれが夏目坂というらしい。さらに近くには、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%C6%CC%DC%DE%FB%C0%D0">夏目漱石</a>誕生の地碑なるものまで見つけた。そちらには生花が添えられており、ちょうど淑女が手入れをしていた。</p> <p>早稲田通りに一度戻り正しい道に入ると、先ほどまでの交通の喧騒はどこへやら、一気に閑静な住宅街へと入り込む。誠に勝手ながら山の手の中は住むものではないと偏見を抱いているのでこういったところでも住みたいと思わないのは不思議だ。この偏見は下町に生まれ育った人間に特有のものなのかもしれない。</p> <p>さて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%DE%FB%C0%D0%BB%B3%CB%BC">漱石山房</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%DE%FB%C0%D0">漱石</a>が晩年の9年間を過ごした旧居を復元した記念館であり、中では<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%DE%FB%C0%D0">漱石</a>に関するあらゆる情報が展示されている。いちおう<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%DE%FB%C0%D0">漱石</a>に関しては一通り著作は読んでいるのであるが、知らないことも多く知的好奇心を満足させるには十分な内容であった。</p> <p><img class="hatena-fotolife" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/ok8823/20211003/20211003234151.jpg" border="0" alt="f:id:ok8823:20211003234151j:image" title="f:id:ok8823:20211003234151j:image" width="1024" height="768" loading="lazy" /></p> <p>外に出ると頓におなかが空いたが、まだ17時なので夕餉には少し早い。なんとなくスパイス料理を体が欲していたので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%AE%B7%A6">荻窪</a>に戻って<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%C9%A5%AB%A5%EC%A1%BC">インドカレー</a>屋に入る。ディナータイムはナンのお代わりができないということで少しショックであった。食後に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C4%A5%A4%A5%C3%A5%BF%A1%BC">ツイッター</a>を見ているとこんな投稿がタイムラインに流れてきた。</p> <blockquote class="twitter-tweet" data-conversation="none" data-lang="ja"> <p dir="ltr" lang="ja">何度でも言います。本を読もう。お金・健康・人間関係・夢…。苦しい時に助けてくれたのはいつも本でした。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%B2%BD%C4%A3">文化庁</a>が調査した<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%F1%B8%EC%A4%CB%B4%D8%A4%B9%A4%EB%C0%A4%CF%C0%C4%B4%BA%BA">国語に関する世論調査</a>によると、週1冊読むだけで上位15%、2冊読めばそれだけで上位5%に入ることができる。そして、人生を豊かにしている人たちはこの5%の人たちと一致する。 <a href="https://t.co/nktzp8zZWu">pic.twitter.com/nktzp8zZWu</a></p> — やまちゃん@鬼努力図解師 (@yamachan_5LC) <a href="https://twitter.com/yamachan_5LC/status/1444059549564952577?ref_src=twsrc%5Etfw">2021年10月1日</a></blockquote> <p> <script async="" src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script> </p> <p>「こういうので読書家を語る人間を信用してはならない。」と思わず引用<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%C4%A5%A4%A1%BC%A5%C8">リツイート</a>してしまったが、いささか軽率であったかと反省。反省点ひとつめ、なんだかマウントを取っている感じに見受けられる。反省点ふたつめ、「読書家を語る」といった言い回しはちょっとおかしい。「読書家を騙る」なら文法的に正しいが文脈にやや合わない。「読書を語る」が正解か。次回は気を付けたい。</p><div class="footnote"> <p class="footnote"><a href="#fn-11d0149d" name="f-11d0149d" class="footnote-number">*1</a><span class="footnote-delimiter">:</span><span class="footnote-text">もちろん一言一句覚えているわけではなく、<a href="http://www.kanko-shinjuku.jp/spot/kw-%E6%97%A9%E7%A8%B2%E7%94%B0/article_332.html">このページ</a>から殆ど引用しているが、本文では流れを妨げることになるので断りは入れていない。これもまた日記における脚色の是非に繋がる問題である</span></p> </div> ok8823 文化力の敗退 hatenablog://entry/26006613795232233 2021-08-09T01:03:43+09:00 2021-08-09T01:08:02+09:00 五輪閉会式を見た。真っ先に思い出したのは、角川書店創業者・角川源義による「角川文庫発刊に際して」の文章である。 第二次世界大戦の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった。私たちの文化が戦争に対して如何(いか)に無力であり、単なるあだ花にすぎなかったかを、私たちは身を以て体験し痛感した。西洋近代文化の摂取にとって、明治以降八十年の歳月は決して短かすぎたとは言えない。にもかかわらず、近代文化の伝統を確立し、自由な批判と柔軟な良識に富む文化層として自らを形成することに私たちは失敗して来た。そしてこれは、各層への文化の普及滲透(しんとう)を任務とする出版人の責任でもあった。… <p>五輪閉会式を見た。真っ先に思い出したのは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D1%C0%EE%BD%F1%C5%B9">角川書店</a>創業者・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D1%C0%EE%B8%BB%B5%C1">角川源義</a>による「角川文庫発刊に際して」の文章である。</p> <blockquote> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E8%C6%F3%BC%A1%C0%A4%B3%A6%C2%E7%C0%EF">第二次世界大戦</a>の敗北は、軍事力の敗北であった以上に、私たちの若い文化力の敗退であった。私たちの文化が戦争に対して如何(いか)に無力であり、単なるあだ花にすぎなかったかを、私たちは身を以て体験し痛感した。西洋近代文化の摂取にとって、明治以降八十年の歳月は決して短かすぎたとは言えない。にもかかわらず、近代文化の伝統を確立し、自由な批判と柔軟な良識に富む文化層として自らを形成することに私たちは失敗して来た。そしてこれは、各層への文化の普及滲透(しんとう)を任務とする出版人の責任でもあった。</p> </blockquote> <p>私たちは、今回の「復興五輪」にて、再び文化力の敗退を目にしなければならなかった。非力な私たちを常に励まし育んでくれた我が国のカルチャーが、政治や巨大資本に蹂躙される様を、ただ黙って眺め続けるしかなかった。両の頬を血の涙が流れる。悔しくてやりきれない。</p> <p>選手入場が終わり、寸劇が始まったところから嫌な予感がした。昼下がりの公園という設定だとアナウンサーが説明する。どういうことだろう。そもそも口頭説明がないと設定の分からない演出とは。その後に出てきた沢山の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%DE%A1%BC">パフォーマー</a>はごちゃごちゃして統一感に欠け、そのうえ視覚的<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A4%A5%F3%A5%D1%A5%AF">インパク</a>トに非常に乏しく、なにがなんだか分からない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%AB%A5%D1%A5%E9">スカパラ</a>の演奏は悪くないが、選曲センスが目も当てられない。なぜ昼下がりの設定なのに「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%E5%A4%F2%B8%FE%A4%A4%A4%C6%CA%E2%A4%B3%A4%A6">上を向いて歩こう</a>」なのか。ひとりぼっちで夜道を歩く歌なのに。おまけに最後はなぜかベートーベンの第九。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%B5%FE%A5%AA%A5%EA%A5%F3%A5%D4%A5%C3%A5%AF">東京オリンピック</a>で西洋クラシックを演奏する意味とは。これは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%BE%CD%CE%CA%B8%B2%BD">西洋文化</a>に白旗を上げたということなのか。いや、何も考えていないのだ。自国の文化に対するリスペクトなど何も持ち合わせていない<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%E9%C1%AC%C5%DB">守銭奴</a>たちが取り仕切ればそうなるものだ。私たちの日本文化は、そんな連中のなんとなくの積み重ねの結果、無惨にもここに敗北したのだ。</p> <p>この散々たる結果をどう受け止めるか。私は、私を育ててくれたこの国の文化が恥辱されて黙ってはいられない。文化的<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CA%A5%B7%A5%E7%A5%CA%A5%EA%A5%BA%A5%E0">ナショナリズム</a>の目覚め。必ずこの雪辱は晴らさなければならない。日本文化を最高の形で発信していくこと。どんな形で実現できるか分からないが、つらい時もうれしい時もいつも側にいてくれた私たちのカルチャーに、今こそ報いるべきではないだろうか。そう思って、自分がなんの影響力もないことに気がつく。この悔しさを噛み締めて、今日は眠る。</p> ok8823 昭和歌謡ベストソングス30 hatenablog://entry/26006613780175931 2021-06-26T21:47:50+09:00 2021-06-27T13:01:58+09:00 ミュージック・マガジン 2021年 7月号 ミュージック・マガジン Amazon ミュージックマガジンの特集「昭和歌謡ベスト・ソングス100[1970年代編]」が面白かったため個人でもやってみようという試みである。 対象は昭和の時代にシングルとしてリリースされた邦楽曲全般。両A面などもありとする。ただし歌謡曲の範疇から外れると判断したアーティスト(具体的にはサザンオールスターズ、PRINCESS PRINCESS、THE BLUE HEARTS、エレファントカシマシなど)は意図的に除外している。山下達郎や松任谷由実などのシティポップの系譜の扱いについては最後まで迷ったが、今回は対象とした。 1… <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0954YTYQL/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="ミュージック・マガジン 2021年 7月号" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51x9EZFzl7S._SL500_.jpg" alt="ミュージック・マガジン 2021年 7月号" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0954YTYQL/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">ミュージック・マガジン 2021年 7月号</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A1%A6%A5%DE%A5%AC%A5%B8%A5%F3">ミュージック・マガジン</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0954YTYQL/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A5%DE%A5%AC%A5%B8%A5%F3">ミュージックマガジン</a>の特集「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BC%CF%C2%B2%CE%CD%D8">昭和歌謡</a>ベスト・ソングス100[1970年代編]」が面白かったため個人でもやってみようという試みである。</p> <p>対象は昭和の時代にシングルとしてリリースされた邦楽曲全般。両A面などもありとする。ただし歌<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CD%D8%B6%CA">謡曲</a>の範疇から外れると判断したアーティスト(具体的には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%B6%A5%F3%A5%AA%A1%BC%A5%EB%A5%B9%A5%BF%A1%BC%A5%BA">サザンオールスターズ</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/PRINCESS%20PRINCESS">PRINCESS PRINCESS</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/THE%20BLUE%20HEARTS">THE BLUE HEARTS</a>、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%EC%A5%D5%A5%A1%A5%F3%A5%C8%A5%AB%A5%B7%A5%DE%A5%B7">エレファントカシマシ</a>など)は意図的に除外している。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B2%BC%C3%A3%CF%BA">山下達郎</a>や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%C7%A4%C3%AB%CD%B3%BC%C2">松任谷由実</a>などのシティポップの系譜の扱いについては最後まで迷ったが、今回は対象とした。</p> <p> </p> <p> </p> <p>1. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SWEET%20MEMORIES">SWEET MEMORIES</a>」松田 聖子(1983)</p> <p><a class="asin" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0001FAG0S/hatena-blog-22/"><img class="asin" title="ガラスの林檎 (CCCD)" src="https://m.media-amazon.com/images/I/41LNGoVYfrL._SL500_.jpg" alt="ガラスの林檎 (CCCD)" width="621" /></a></p> <p>本企画を思いついた時から一位はこれ以外ないと思い続けていた。もはやこの曲を一位にするために始めた企画かもしれない。数々の名カバーを生み出した稀代の大名曲であり、あらゆる歌い手たちの物語を引き出す普遍性には恐れ入る。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%C5%C4%C0%BB%BB%D2">松田聖子</a>の表現力や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%CB%DC%CE%B4">松本隆</a>の歌詞はもちろん、作編曲を担う<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C2%BC%B2%ED%CF%AF">大村雅朗</a>の手腕も見逃せない。我が国のポップ音楽における一つの到達点。</p> <p> </p> <p>2. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%DA%CC%CA%A4%CE%A5%CF%A5%F3%A5%AB%A5%C1%A1%BC%A5%D5">木綿のハンカチーフ</a>」太田 裕美(1975)</p> <p><a class="asin" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B018P85IFK/hatena-blog-22/"><img class="asin" title="木綿のハンカチーフ[EPレコード 7inch]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51xAiVDc2IL._SL500_.jpg" alt="木綿のハンカチーフ[EPレコード 7inch]" /></a></p> <p>往復書簡形式で男女のすれ違いを表現する<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%CB%DC%CE%B4">松本隆</a>の歌詞が生きるのは、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%EC%BF%CD%C6%F3%CC%F2">一人二役</a>をこなす<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%C0%C5%C4%CD%B5%C8%FE">太田裕美</a>の表現力があってこそ。2021年の映画『花束みたいな恋をした』を見てこの曲のことを想いだした。発表されて40年以上がたった今でもさびることのない名曲。</p> <p> </p> <p>3. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D6%A4%A4%A5%B9%A5%A4%A1%BC%A5%C8%A5%D4%A1%BC">赤いスイートピー</a>」松田 聖子(1982)</p> <p><a class="asin" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00GOM10FM/hatena-blog-22/"><img class="asin" title="赤いスイートピー [EPレコード 7inch]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51YWuKRZIFL._SL500_.jpg" alt="赤いスイートピー [EPレコード 7inch]" /></a></p> <p>純白の権化ともいえる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%C5%C4%C0%BB%BB%D2">松田聖子</a>の代表曲。みずみずしく歌い上げられる青春の輝きに、心の隅々までが浄化される。ところで、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%C5%C4%C0%BB%BB%D2">松田聖子</a>はどこかの時期に別人と入れ替わっていると睨んでいるのですが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。</p> <p> </p> <p>4. 「卒業」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%C6%C6%A3%CD%B3%B5%AE">斉藤由貴</a>(1985)</p> <p><a class="asin" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07CXX4R1V/hatena-blog-22/"><img class="asin" title="卒業[EP]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/411qrfBJb0L._SL500_.jpg" alt="卒業[EP]" /></a></p> <p>これまた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%CB%DC%CE%B4">松本隆</a>・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%FB%C8%FE%B5%FE%CA%BF">筒美京平</a>の最強タッグ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%C6%C6%A3%CD%B3%B5%AE">斉藤由貴</a>のどこか諦念あるいは達観を含んだ歌い方が楽曲全体に奥行きをもたらしている。「卒業式で泣かないと冷たい人と言われそう でももっと哀しい瞬間に涙はとっておきたいの」この歌詞の素晴らしさよ。</p> <p> </p> <p>5. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%F9%BE%D0%A4%AC%A4%A8%A4%B7">微笑がえし</a>」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%F3%A5%C7%A5%A3%A1%BC%A5%BA">キャンディーズ</a>(1978)</p> <p><a class="asin" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01ESIZ2U2/hatena-blog-22/"><img class="asin" title="微笑がえし[キャンディーズ][EP盤]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/61d1eBy2LSL._SL500_.jpg" alt="微笑がえし[キャンディーズ][EP盤]" width="337" /></a></p> <p>解散のタイミングで発表された最後のシングルということを知ると、この曲の哀愁はさらに深みを増すだろう。笑い話で抑えようとしていた別れの悲しみが「おかしくって涙が出そう」前の高音への移り変わりでひょっこり顔を出してしまう、その表現が素晴らしい。</p> <p> </p> <p>6. 「悪女」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%E6%C5%E7%A4%DF%A4%E6%A4%AD">中島みゆき</a>(1981)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082SQN838/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="悪女" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51-CUwdWPML._SL500_.jpg" alt="悪女" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082SQN838/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">悪女</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/YAMAHA">YAMAHA</a> MUSIC COMMUNICATIONS CO., LTD.</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082SQN838/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>7. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%FE%A4%CE%CE%AE%A4%EC%A4%CB%BF%C8%A4%F2%A4%DE%A4%AB%A4%BB">時の流れに身をまかせ</a>」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%EC%A5%B5%A1%A6%A5%C6%A5%F3">テレサ・テン</a>(1986) </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BSG3A9S/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="時の流れに身をまかせ" src="https://m.media-amazon.com/images/I/515O7mvBO7L._SL500_.jpg" alt="時の流れに身をまかせ" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BSG3A9S/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">時の流れに身をまかせ</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Universal%20Music">Universal Music</a> LLC</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00BSG3A9S/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>8. 「守ってあげたい」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%BE%C7%A4%C3%AB%CD%B3%BC%C2">松任谷由実</a>(1981)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07HF549ZF/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="守ってあげたい" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51xY73yuweL._SL500_.jpg" alt="守ってあげたい" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07HF549ZF/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">守ってあげたい</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/UNIVERSAL%20MUSIC">UNIVERSAL MUSIC</a> LLC</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07HF549ZF/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />9. 「思い出がいっぱい」H2O(1983) </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FDVO/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="想い出がいっぱい" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51QZZUx3TVL._SL500_.jpg" alt="想い出がいっぱい" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FDVO/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">想い出がいっぱい</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/H2O">H2O</a></li> <li>キティ</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FDVO/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p> 10. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%AF%A4%CF%E9%AC%E9%AF%A4%E8%A4%EA%C8%FE%A4%B7%A4%A4">君は薔薇より美しい</a>」布施 明(1979) </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082SR7LKK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="君は薔薇より美しい" src="https://m.media-amazon.com/images/I/41rFSvqH8hL._SL500_.jpg" alt="君は薔薇より美しい" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082SR7LKK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">君は薔薇より美しい</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li>King Records</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B082SR7LKK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />11. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B6%E4%B2%CF%C5%B4%C6%BB999">銀河鉄道999</a>」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B4%A5%C0%A5%A4%A5%B4">ゴダイゴ</a>(1979)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0030HT7I6/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="組曲 銀河鉄道999(紙ジャケット仕様)" src="https://m.media-amazon.com/images/I/61I8-88s1XL._SL500_.jpg" alt="組曲 銀河鉄道999(紙ジャケット仕様)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0030HT7I6/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">組曲 銀河鉄道999(紙ジャケット仕様)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/TV%A5%B5%A5%F3%A5%C8%A5%E9">TVサントラ</a>,<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%CB%BD%B8%B2%C3%C2%E5%BB%D2">伊集加代子</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%ED%A5%E0%A5%D3%A5%A2%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A5%A8%A5%F3%A5%BF%A5%C6%A5%A4%A5%F3%A5%E1%A5%F3%A5%C8">コロムビアミュージックエンタテインメント</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0030HT7I6/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />12. 「恋するカレン」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C2%EC%B1%D3%B0%EC">大滝詠一</a>(1981)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08XW733KC/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="恋するカレン" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51p7R9+Oe-L._SL500_.jpg" alt="恋するカレン" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08XW733KC/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">恋するカレン</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Sony%20Music%20Labels">Sony Music Labels</a> Inc.</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08XW733KC/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />13. 「夏が来た!」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%F3%A5%C7%A5%A3%A1%BC%A5%BA">キャンディーズ</a>(1976)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07VCD8C3S/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="夏が来た [12&quot; Analog LP Record]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/510C4pxl1TL._SL500_.jpg" alt="夏が来た [12&quot; Analog LP Record]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07VCD8C3S/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">夏が来た [12" Analog LP Record]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AD%A5%E3%A5%F3%A5%C7%A5%A3%A1%BC%A5%BA%20CANDIES">キャンディーズ CANDIES</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/CBS">CBS</a>/<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SONY">SONY</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07VCD8C3S/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>14. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%E1%A4%B7%A4%DF%A4%E8%A4%B3%A4%F3%A4%CB%A4%C1%A4%CF">悲しみよこんにちは</a>」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%C6%C6%A3%CD%B3%B5%AE">斉藤由貴</a>(1988)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07P95ZBXK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="悲しみよこんにちは" src="https://m.media-amazon.com/images/I/41dgATULMyL._SL500_.jpg" alt="悲しみよこんにちは" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07P95ZBXK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">悲しみよこんにちは</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%CB%A1%BC%A5%AD%A5%E3%A5%CB%A5%AA%A5%F3">ポニーキャニオン</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07P95ZBXK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />15. 「じゃあね」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%AA%A5%CB%A5%E3%A5%F3%BB%D2%A5%AF%A5%E9%A5%D6">おニャン子クラブ</a>(1986)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01NAI9DHT/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="じゃあね[おニャン子クラブ][EP盤]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/61S0H-53QtL._SL500_.jpg" alt="じゃあね[おニャン子クラブ][EP盤]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01NAI9DHT/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">じゃあね[おニャン子クラブ][EP盤]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li>キャニオン</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01NAI9DHT/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p> 16. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B0%A5%C3%A5%C9%A1%A6%A5%D0%A5%A4%A1%A6%A5%DE%A5%A4%A1%A6%A5%E9%A5%D6">グッド・バイ・マイ・ラブ</a>」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%F3%A1%A6%A5%EB%A5%A4%A5%B9">アン・ルイス</a>(1974)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0198E8AIC/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="グッド・バイ・マイ・ラブ" src="https://m.media-amazon.com/images/I/515ZyOHRIaL._SL500_.jpg" alt="グッド・バイ・マイ・ラブ" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0198E8AIC/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">グッド・バイ・マイ・ラブ</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li>VICTOR ENTERTAINMENT,INC.</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0198E8AIC/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />17. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EA%A5%D3%A5%A2%A4%F2%C4%B0%A4%AD%A4%CA%A4%AC%A4%E9">オリビアを聴きながら</a>」杏里(1978)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07ZPXC7TV/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="【検聴合格】針飛無安心レコード可盤・1978年・杏里「 オリビアを聴きながら・So Long 」【EP】" src="https://m.media-amazon.com/images/I/516WfOLAkIL._SL500_.jpg" alt="【検聴合格】針飛無安心レコード可盤・1978年・杏里「 オリビアを聴きながら・So Long 」【EP】" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07ZPXC7TV/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">【検聴合格】針飛無安心レコード可盤・1978年・杏里「 オリビアを聴きながら・So Long 」【EP】</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%E9%A5%A4%A5%D5">フォーライフ</a>レコード</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07ZPXC7TV/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>18. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B7%AF%A4%CF%C5%B7%C1%B3%BF%A7">君は天然色</a>」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%E7%C2%EC%B1%D3%B0%EC">大滝詠一</a>(1981)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08XVW3ZR4/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="君は天然色" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51p7R9+Oe-L._SL500_.jpg" alt="君は天然色" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08XVW3ZR4/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">君は天然色</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Sony%20Music%20Labels">Sony Music Labels</a> Inc.</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08XVW3ZR4/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p> 19. 「ひとり咲き」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%E3%A5%B2%26amp%3B%C8%F4%C4%BB">チャゲ&amp;飛鳥</a>(1979)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B076DK8FRL/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="ひとり咲き" src="https://m.media-amazon.com/images/I/514fJEDsD5L._SL500_.jpg" alt="ひとり咲き" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B076DK8FRL/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">ひとり咲き</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/YAMAHA">YAMAHA</a> MUSIC COMMUNICATIONS</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B076DK8FRL/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />20. 「クリスマス・イブ」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B2%BC%C3%A3%CF%BA">山下達郎</a>(1983)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B077GS2ZRW/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="クリスマス・イブ(2017クリスマス・スぺシャル・パッケージ)" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51Gq5mvcmlL._SL500_.jpg" alt="クリスマス・イブ(2017クリスマス・スぺシャル・パッケージ)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B077GS2ZRW/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">クリスマス・イブ(2017クリスマス・スぺシャル・パッケージ)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B2%BC%C3%A3%CF%BA">山下達郎</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EF%A1%BC%A5%CA%A1%BC%A5%DF%A5%E5%A1%BC%A5%B8%A5%C3%A5%AF%A1%A6%A5%B8%A5%E3%A5%D1%A5%F3">ワーナーミュージック・ジャパン</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B077GS2ZRW/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />21. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%DE%A4%BF%B0%A9%A4%A6%C6%FC%A4%DE%A4%C7">また逢う日まで</a>」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%F8%BA%EA%B5%AA%C0%A4%C9%A7">尾崎紀世彦</a>(1971)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BJDV8IY/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="また逢う日まで[EPレコード 7inch]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51CQflQyNZL._SL500_.jpg" alt="また逢う日まで[EPレコード 7inch]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BJDV8IY/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">また逢う日まで[EPレコード 7inch]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%F8%BA%EA%B5%AA%C0%A4%C9%A7">尾崎紀世彦</a></li> <li>日本フォノグラム</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BJDV8IY/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />22. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BD%ED%A4%CE%A5%D0%A5%EB%A5%B3%A5%CB%A1%BC">渚のバルコニー</a>」松田 聖子(1982)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01J4YAK0W/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="渚のバルコニー[松田聖子][EP盤]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51a0Tgq0RIL._SL500_.jpg" alt="渚のバルコニー[松田聖子][EP盤]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01J4YAK0W/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">渚のバルコニー[松田聖子][EP盤]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/CBS%A5%BD%A5%CB%A1%BC">CBSソニー</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01J4YAK0W/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>23. 「タイム・トラベル」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%B6%C5%C4%BF%BF%C6%F3">原田真二</a>(1978)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01EF4G74O/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="タイムトラベル[原田真二][EP盤]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51AqWkfgn-L._SL500_.jpg" alt="タイムトラベル[原田真二][EP盤]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01EF4G74O/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">タイムトラベル[原田真二][EP盤]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D5%A5%A9%A1%BC%A5%E9%A5%A4%A5%D5">フォーライフ</a>レコード</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01EF4G74O/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>24. 「愛を描いて -LET'S KISS THE SUN」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B2%BC%C3%A3%CF%BA">山下達郎</a>(1979)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005UD3V/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="MOONGLOW (ムーングロウ)" src="https://m.media-amazon.com/images/I/21D646A5JDL._SL500_.jpg" alt="MOONGLOW (ムーングロウ)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005UD3V/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">MOONGLOW (ムーングロウ)</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B3%B2%BC%C3%A3%CF%BA">山下達郎</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Ariola%20Japan">Ariola Japan</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005UD3V/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />25. 「The Stardust Memory」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%AE%C0%F4%BA%A3%C6%FC%BB%D2">小泉今日子</a>(1985)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N0Y67UV/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="The Stardust Memory" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51PQf2WH9RL._SL500_.jpg" alt="The Stardust Memory" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N0Y67UV/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">The Stardust Memory</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li>Victor</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01N0Y67UV/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>26. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%A7%A5%EA%A1%BC%A5%D6%A5%E9%A5%C3%A5%B5%A5%E0">チェリーブラッサム</a>」松田 聖子(1981)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01M1RA3JZ/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="チェリーブラッサム[松田聖子][EP盤]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/515OPthFwfL._SL500_.jpg" alt="チェリーブラッサム[松田聖子][EP盤]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01M1RA3JZ/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">チェリーブラッサム[松田聖子][EP盤]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/CBS%A5%BD%A5%CB%A1%BC">CBSソニー</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01M1RA3JZ/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> <br />27. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%DC%A5%C6%A5%F3%A4%CE%B2%D6">サボテンの花</a>」チューリップ(1975)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BJDVGXG/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="サボテンの花[EPレコード 7inch]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/513F5E4w4qL._SL500_.jpg" alt="サボテンの花[EPレコード 7inch]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BJDVGXG/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">サボテンの花[EPレコード 7inch]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%E5%A1%BC%A5%EA%A5%C3%A5%D7">チューリップ</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%EC%BC%C7EMI">東芝EMI</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BJDVGXG/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>28. 「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%A1%BC%EA%A4%CB%A4%B7%A4%E4%A4%AC%A4%EC">勝手にしやがれ</a>」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%F4%C5%C4%B8%A6%C6%F3">沢田研二</a>(1977)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01EF4G9LK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="勝手にしやがれ[沢田研二][EP盤]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51Z1+2FgR4L._SL500_.jpg" alt="勝手にしやがれ[沢田研二][EP盤]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01EF4G9LK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">勝手にしやがれ[沢田研二][EP盤]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li>ポリドール</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01EF4G9LK/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p>29. 「結婚しようよ」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%C8%C5%C4%C2%F3%CF%BA">吉田拓郎</a>(1972)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07CDR3BZT/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="結婚しようよ[EP]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51972tYhL-L._SL500_.jpg" alt="結婚しようよ[EP]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07CDR3BZT/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">結婚しようよ[EP]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%E8%A4%B7%A4%C0%A4%BF%A4%AF%A4%ED%A4%A6">よしだたくろう</a></li> <li><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/SONY">SONY</a></li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B07CDR3BZT/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p> 30. 「ラヴ・イズ・オーヴァー」<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A4%CD%DB%E8%CB%E8%CB">欧陽菲菲</a>(1982)</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a class="hatena-asin-detail-image-link" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BETKVS6/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener"><img class="hatena-asin-detail-image" title="ラブ・イズ・オーヴァー[EPレコード 7inch]" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51HAtCF5AeL._SL500_.jpg" alt="ラブ・イズ・オーヴァー[EPレコード 7inch]" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BETKVS6/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">ラブ・イズ・オーヴァー[EPレコード 7inch]</a></p> <ul class="hatena-asin-detail-meta"> <li><span class="hatena-asin-detail-label">アーティスト:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%A4%CD%DB%E8%CB%E8%CB">欧陽菲菲</a></li> <li>POLYDOR</li> </ul> <a class="asin-detail-buy" href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B01BETKVS6/hatena-blog-22/" target="_blank" rel="noopener">Amazon</a></div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <p>番外</p> <p>シングルではなかったため対象外となったが紹介したい曲。</p> <p>「ひとつだけ」『ごはんができたよ』<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%F0%CC%EE%B8%B2%BB%D2">矢野顕子</a>(1980)</p> <p>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EC%A5%E2%A5%CD%A1%BC%A5%C9%A4%CE%B2%C6">レモネードの夏</a>」『Pineapple』松田 聖子(1982)</p> <p>「14番目の月」『14番目の月』<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%D3%B0%E6%CD%B3%BC%C2">荒井由実</a>(1976)</p> <p>「恋の横顔」『Relief 72 hours』国分 友里恵(1983)</p> <p>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C0%A5%F3%A5%B9%A5%DB%A1%BC%A5%EB">ダンスホール</a>」『回帰線』尾崎 豊(1985)</p> ok8823 今泉力哉『街の上で』 hatenablog://entry/26006613717413258 2021-04-17T23:33:03+09:00 2021-05-05T00:01:14+09:00 愛おしい映画だ。 下北沢の街で繰り広げられるこの物語は、いってみれば大したことは起こらない。若葉竜也演じる男と彼を取り巻く四人の女性が繰り広げる群像劇なのだが、そこでは劇的な演出や会話が徹底的に排除されている。どもり、つっかえ、聞き逃し、聞き返し、謎の間の連続で、それゆえに映画の中にどこかぎこちない気まずさが流れることもある。しかしそのことが映画に圧倒的なリアリティ強度を与えている。よどみなく自分の気持ちを吐露する作られた登場人物は皆無であり、この世のどこかに確かに存在する人々の生きざまを垣間見ているようで、ほほえましく優しい気持ちになれる。 ここで描かれているのはあなたの身近な日常と大して変… <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/b3uzwReO-3w?enablejsapi=1" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" id="widget2"></iframe><br /><br /></p> <p>愛おしい映画だ。</p> <p>下北沢の街で繰り広げられるこの物語は、いってみれば大したことは起こらない。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%E3%CD%D5%CE%B5%CC%E9">若葉竜也</a>演じる男と彼を取り巻く四人の女性が繰り広げる群像劇なのだが、そこでは劇的な演出や会話が徹底的に排除されている。どもり、つっかえ、聞き逃し、聞き返し、謎の間の連続で、それゆえに映画の中にどこかぎこちない気まずさが流れることもある。しかしそのことが映画に圧倒的なリアリティ強度を与えている。よどみなく自分の気持ちを吐露する作られた登場人物は皆無であり、この世のどこかに確かに存在する人々の生きざまを垣間見ているようで、ほほえましく優しい気持ちになれる。</p> <p>ここで描かれているのはあなたの身近な日常と大して変わらない。ある<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%C3%A5%D7">カップ</a>ルが別れてから暫くのあれこれが描かれているだけだ。何年後かに振り替えれば、いろいろあったよねの一言で片づけられてしまうようなあれこれだけだ。でも、そんなあれこれに近寄ってみると、案外とてもきれいじゃんと気づくことがある。だれも描くことがなければなかったことにされてしまうほど些末で、でも確かにそこにあったはずの出来事。そんないろいろの美しさに気が付かせてくれる、最高の映画だ。</p> <p> </p> ok8823 地図に穿つ hatenablog://entry/26006613709457812 2021-03-28T16:39:32+09:00 2021-05-05T00:02:04+09:00 これまで訪れてきた場所を余すことなくグーグルマップに登録しようと思っている。ひとりで勝手に進めている極めて個人的なプロジェクトだ。誰に見せるわけでもない。何かに役立つわけでもないだろう。ただ個人的な記憶の外付けハードディスクとして、電子地図を活用しようとしているだけだ。自分と少しでもかかわりを持ってもらった場所を忘れてしまうのが悲しいから、いつまでも覚えていたいから、こんなことをしている。 いままでたくさんの土地を訪れた。日本国内はもちろんのこと、学生時代はバックパッカー気取りで少なくない国に降り立ってきた。当時から訪れた場所をグーグルマップに登録しておけば面倒はなかったのだが、Maps.me… <p>これまで訪れてきた場所を余すことなくグーグルマップに登録しようと思っている。ひとりで勝手に進めている極めて個人的なプロジェクトだ。誰に見せるわけでもない。何かに役立つわけでもないだろう。ただ個人的な記憶の外付けハードディスクとして、電子地図を活用しようとしているだけだ。自分と少しでもかかわりを持ってもらった場所を忘れてしまうのが悲しいから、いつまでも覚えていたいから、こんなことをしている。</p> <p>いままでたくさんの土地を訪れた。日本国内はもちろんのこと、学生時代は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%C3%A5%AF%A5%D1%A5%C3%A5%AB%A1%BC">バックパッカー</a>気取りで少なくない国に降り立ってきた。当時から訪れた場所をグーグルマップに登録しておけば面倒はなかったのだが、Maps.meなどの別の地図アプリを使っていたり、そもそも地図にいちいち記録をつけていたなかったりして、訪れた国や街の単位でアバウトにお気に入りマークをつけていただけだった。しかしそれではもったいないと思い、この機会にすべて更新してみることにあした。</p> <p>そんな作業をしている中で、タイ・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%F3%A5%B3%A5%AF">バンコク</a>を訪問した際に泊まった宿の場所が分からなくて、いろいろと手掛かりを探っている。ただ、その宿に関しては当時の写真はない。仕方ないから、記憶の海に潜ってみることにした。</p> <p>あの時の自分は大学生で、春休みを使って友人と二人で一か月のあいだ東南アジアを回っていた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D9%A5%C8%A5%CA%A5%E0">ベトナム</a>は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DB%A1%BC%A5%C1%A5%DF%A5%F3">ホーチミン</a>(<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%A4%A5%B4%A5%F3">サイゴン</a>)から入り、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%F3%A5%DC%A5%B8%A5%A2">カンボジア</a>で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%F3%A5%B3%A1%BC%A5%EB%A5%EF%A5%C3%A5%C8">アンコールワット</a>を見て、そこから長距離バスで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%F3%A5%B3%A5%AF">バンコク</a>に入ったのだ。世界中から観光客の集まる<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%C3%A5%AF%A5%D1%A5%C3%A5%AB%A1%BC">バックパッカー</a>の聖地・<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%AA%A5%B5%A5%F3%C4%CC%A4%EA">カオサン通り</a>に着いたのは、夜の7時か8時ごろだったとおもう。半日車に揺られて我々は疲弊していた。とにかく腹が空いていたので、宿を探すよりも先に屋台で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D1%A5%C3%A5%BF%A5%A4">パッタイ</a>を頬張った。日本円で100円くらいだったそのタイ風やきそばは驚くほど美味で、それから7年たった今でもあの時の感覚を覚えている。</p> <p>我々が舌鼓を打っていると、日本人<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%D0%A5%C3%A5%AF%A5%D1%A5%C3%A5%AB%A1%BC">バックパッカー</a>を自称する若い男に話しかけられた。彼の泊まっている宿が安くていい感じなので、案内してあげるとのことだ。我々は警戒しながらも、疲れ切っていたので、彼についていくことにした。</p> <p>案内された宿は確かに安かった。たしか一泊3ドルとかだったと思う。話に嘘はないのだが、しかし想像をはるかに超える不潔さであった。単純に汚いということに加えて、陽当たりが悪くじめじめしているし、電球が切れかかっているのかどの部屋も薄暗い。おまけに6人1部屋のドミトリーでは、そこに何年も住み着いているような”沈没者”がたくさんいて、それもたちの悪い沈没の仕方をしているように見えて、人生をあきらめた人々が醸し出す独特な”死臭”が部屋を包んでいた。</p> <p>そんな嫌な感じしか残っていない宿ではあるが、そこに泊まったことは事実であり、なんとか場所を思い出そうとするが、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%AA%A5%B5%A5%F3%C4%CC%A4%EA">カオサン通り</a>のはずれの道をいった気がする程度の情報しか浮上してこない。記憶の中の行動と地図を突き合わせてみも全く分からないので、インターネット検索に頼ることにした。ただ、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%AA%A5%B5%A5%F3%C4%CC%A4%EA">カオサン通り</a> 安宿」みたいに検索しても、出てくるページが扱うのは小ぎれいで清潔かつ明るい印象を与えるような宿の写真ばかりだ。あたりまえだ。あんな宿をお勧めするページがあったとしたら無茶苦茶だ。ただ彼らは彼らの最善の選択として、あのどうしようもない宿を掲載していないだけだ。だから、その宿が見つからないことに対して、何の文句も垂れるべきではない。それはわかっているが、いま見つけ出さなければ生涯あの宿の場所を思い出すこともないのだろうと思うと少し寂いので、いろいろな検索をかけて粘ってみたら、「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AB%A5%AA%A5%B5%A5%F3%C4%CC%A4%EA">カオサン通り</a> 日本人宿 汚い」で検索したら出てきた。</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/A.T.">A.T.</a> Guest House ― それが、探し求めていた劣悪宿の名前であった。調べると今の今まで営業を続けているようだ。さっそくグーグルマップにお気に入り登録して、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%EA%A1%BC%A5%C8%A5%D3%A5%E5%A1%BC">ストリートビュー</a>で目の前の道を覗いてみると、記憶がよみがえってきた。メインストリートからとんでもなく狭い道を通り抜けてこの宿にたどり着いたことや、目の前の狭い通りに並んだ屋台で朝食のヌードルを食べたことを。この場所の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%C8%A5%EA%A1%BC%A5%C8%A5%D3%A5%E5%A1%BC">ストリートビュー</a>にたどり着いていなかったら、一向に思い出すこともなかった記憶の断片に出会うことができて、なんだかうれしかった。あの時、自分は確かにこの場所にいた。その感覚を、忘れてはいけない。</p> ok8823 しんにょう(あるいはしんにゅう) hatenablog://entry/26006613696403185 2021-02-26T00:50:03+09:00 2021-02-26T00:50:03+09:00 幼いころの記憶に残るしんにょう(あるいはしんにゅう)は辶であったけれど、いまモニターに映し出される「辻」のしんにょう(あるいはしんにゅう)は何度目を凝らしても辶だった。ふたつも点が乗っている。おかしな形に困惑しながら、しかしこれはつい今しがた自分がキーボードで打ち込んだことにより生み出した文字であるという事実に直面する。PCが表示する文字に誤りはないはずであり、そうすると、先ほどまで私の記憶だと思っていたものが私の記憶ではなかったのかもしれない。いや、騙されるな。私には確かな記憶がある。 小学生の僕は、かび臭い教室の片隅で、「道」という文字を何度も書き写している。その文字はいささか見るに堪えな… <p><span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">幼いころの記憶に残るしんにょう(あるいはしんにゅう)は辶であったけれど、いまモニターに映し出される「辻」のしんにょう(あるいはしんにゅう)は何度目を凝らしても<span style="color: #202122; font-family: '源ノ角ゴシック JP Normal', '源ノ角ゴシック JP', 'Source Han Sans Normal', 'Source Han Sans', NotoSansJP-DemiLight, 'Noto Sans CJK JP DemiLight', 'ヒラギノ角ゴ ProN W3', 'ヒラギノ角ゴ ProN', 'Hiragino Kaku Gothic ProN', メイリオ, Meiryo, '新ゴ Pr6N R', 'A-OTF 新ゴ Pr6N R', '小塚ゴシック Pr6N M', IPAexゴシック, Takaoゴシック, XANO明朝U32, XANO明朝, 和田研中丸ゴシック2004絵文字, 和田研中丸ゴシック2004ARIB, 和田研中丸ゴシック2004P4, 和田研細丸ゴシック2004絵文字, 和田研細丸ゴシック2004ARIB, 和田研細丸ゴシック2004P4, 和田研細丸ゴシックProN, YOzFont04, 'IPA Pゴシック', 'Yu Gothic UI', 'Meiryo UI', 'MS Pゴシック'; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶だった。ふたつも点が乗っている。おかしな形に困惑しながら、しかしこれはつい今しがた自分がキーボードで打ち込んだことにより生み出した文字であるという事実に直面する。PCが表示する文字に誤りはないはずであり、そうすると、先ほどまで私の記憶だと思っていたものが私の記憶ではなかったのかもしれない。いや、騙されるな。私には確かな記憶がある。</span></span></p> <p>小学生の僕は、かび臭い教室の片隅で、「道」という文字を何度も書き写している。その文字はいささか見るに堪えないほどの汚さだが、何とか「道」であると認識できる程度の形は残している。30回同じ字を書かないといけないので、途中で僕はずるをし始めるわけだが、まあそれはいい。とにかく、ほらみたことか、<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶がやはり正しいのだ。しかしなぜこんなたわいもない場面を記憶しているのだろうと不思議に思っていると、おいと呼ぶ声がしたので</span>頭を上げる。そこに立っている少年は、僕がずるをしているのを見抜いたようだった。僕は瞬時にノートを覆うようにして、なに、と答えた。</p> <p>「お前、<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶</span>をぜんぶ先に書いて、その後で首<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">を書こうとしているだろ」</span></p> <p>「してないよ」</p> <p>実際には彼の言う通りで、僕のノートには一面の<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶が書き連ねられていた。この方が効率的だと思ってやってしまったわけだが、</span>僕は正直に答えられなかった。いま思い返せば、別にそのくらいのことがばれてもなんでもないはずだったが、当時の僕にはそのズルがとても大きな罪であるように思えてならなかったのだ。</p> <p>「いや、俺は見たよ。先生にいっちゃおう」</p> <p>僕は狼狽した。そして、必ずこいつを葬ってやると強い殺意を覚えるやいなや、<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶で埋め尽くされたページを彼に見せつけてやった。すると彼は、辶辶辶辶辶辶辶辶辶辶辶辶が辶辶辶辶<span style="color: #202122; font-family: '源ノ角ゴシック JP Normal', '源ノ角ゴシック JP', 'Source Han Sans Normal', 'Source Han Sans', NotoSansJP-DemiLight, 'Noto Sans CJK JP DemiLight', 'ヒラギノ角ゴ ProN W3', 'ヒラギノ角ゴ ProN', 'Hiragino Kaku Gothic ProN', メイリオ, Meiryo, '新ゴ Pr6N R', 'A-OTF 新ゴ Pr6N R', '小塚ゴシック Pr6N M', IPAexゴシック, Takaoゴシック, XANO明朝U32, XANO明朝, 和田研中丸ゴシック2004絵文字, 和田研中丸ゴシック2004ARIB, 和田研中丸ゴシック2004P4, 和田研細丸ゴシック2004絵文字, 和田研細丸ゴシック2004ARIB, 和田研細丸ゴシック2004P4, 和田研細丸ゴシックProN, YOzFont04, 'IPA Pゴシック', 'Yu Gothic UI', 'Meiryo UI', 'MS Pゴシック'; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶</span>辶とつらなる辶辶辶辶の辶で<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B2%A5%B7%A5%E5%A5%BF%A5%EB%A5%C8%CA%F8%B2%F5">ゲシュタルト崩壊</a>を起こして別世界に飛んで行った。ざまあみろと漢字ノートを開きなおして「道」を書き始めると、辶が崖に立つ一人の人間を表しているように思えてくる。断崖の上で立ち尽くす僕の眼下には、深い森の蒼がどこまでも続いている。風が木の葉を揺らしすざわざわと野生動物たちの鳴き声が混合して不気味な気分だ。その森の中から、先ほど吹き飛んだ少年の声がする。僕は彼が哀れになったので、おーいと声を出して居場所を伝えた。すると「おーい」の声は実態となって彼の方へと飛んでいき、彼を乗せて崖の上へと戻ってきた。</span></p> <p>「びっくりしたじゃないか」</p> <p>「お前が悪いんだぞ」助けてやったのに不遜な態度をとる彼に僕は苛ついていた。</p> <p>「しかもお前、この<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶が間違ってるぞ」</span></p> <p>教室に戻って彼がノートの一字を指して言う。確かにそれは<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶ではなく<span style="color: #202122; font-family: '源ノ角ゴシック JP Normal', '源ノ角ゴシック JP', 'Source Han Sans Normal', 'Source Han Sans', NotoSansJP-DemiLight, 'Noto Sans CJK JP DemiLight', 'ヒラギノ角ゴ ProN W3', 'ヒラギノ角ゴ ProN', 'Hiragino Kaku Gothic ProN', メイリオ, Meiryo, '新ゴ Pr6N R', 'A-OTF 新ゴ Pr6N R', '小塚ゴシック Pr6N M', IPAexゴシック, Takaoゴシック, XANO明朝U32, XANO明朝, 和田研中丸ゴシック2004絵文字, 和田研中丸ゴシック2004ARIB, 和田研中丸ゴシック2004P4, 和田研細丸ゴシック2004絵文字, 和田研細丸ゴシック2004ARIB, 和田研細丸ゴシック2004P4, 和田研細丸ゴシックProN, YOzFont04, 'IPA Pゴシック', 'Yu Gothic UI', 'Meiryo UI', 'MS Pゴシック'; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶となっていて点が一つ多い。これには僕も反省の色を示すしかなかった。</span></span></p> <p>「教えてくれてありがとう。このまま提出していたら大変なことになってた」</p> <p>素直に感謝の言葉を伝えて彼を見ると、彼はそこにはおらず、ただ<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶の白いオブジェクトが屹立していた。文字が言葉をもって何かを訴えることはできないが、僕には、辶が哀愁の気持ちを抱いていることが分かった。僕には彼のさみしさを理解することができたから、彼のために涙を流すことにした。すると、目の前に据えられた辶が強い光を放って、空に浮いたかと思うと、教室の天井を突き破って空高く飛び立っていった。</span></p> <p>この時以来、僕が<span style="color: #202122; font-family: sans-serif; font-size: 15.104px; font-style: normal; font-variant-ligatures: normal; font-variant-caps: normal; font-weight: 400; letter-spacing: normal; orphans: 2; text-align: start; text-indent: 0px; text-transform: none; white-space: normal; widows: 2; word-spacing: 0px; -webkit-text-stroke-width: 0px; background-color: #ffffff; text-decoration-thickness: initial; text-decoration-style: initial; text-decoration-color: initial; display: inline !important; float: none;">辶の形を意識したことはなかった。</span></p> ok8823 光の粒 hatenablog://entry/26006613696006115 2021-02-25T00:33:31+09:00 2021-05-05T00:02:04+09:00 微かな温もりをはらみ始めた潮風が自由気ままに荒ぶる二月の砂浜は、どこまで行っても誰もいなくて、いつか見たあの景色に似ている。寄せては返す波のごとく、心に去来する寂しさが心地よくなるころには、生きる意味さえも超えていく。 真っ白な砂浜に横たわる君が死んでいく。君は、うつろな目をして遠く見つめながら、すべてが海であった時のことを思うのだろう。初めて光を見た刹那に流したうれしさの涙を懐くのだろう。 僕らは君の大きな体が朽ちてしまう日を待っている。じっくりと涙に溶けていく日を待っている。君と過ごした日々が霞の彼方に見えなくなる日を待っている。それでも、触れては消えてしまうような脆さで、君は息をし続ける… <p>微かな温もりをはらみ始めた潮風が自由気ままに荒ぶる二月の砂浜は、どこまで行っても誰もいなくて、いつか見たあの景色に似ている。寄せては返す波のごとく、心に去来する寂しさが心地よくなるころには、生きる意味さえも超えていく。</p> <p>真っ白な砂浜に横たわる君が死んでいく。君は、うつろな目をして遠く見つめながら、すべてが海であった時のことを思うのだろう。初めて光を見た刹那に流したうれしさの涙を懐くのだろう。</p> <p>僕らは君の大きな体が朽ちてしまう日を待っている。じっくりと涙に溶けていく日を待っている。君と過ごした日々が霞の彼方に見えなくなる日を待っている。それでも、触れては消えてしまうような脆さで、君は息をし続けるのだ。</p> <p>君はときおり悲しみを嘶く。咆哮のようには響き渡らない諦めを心得ながら、吹き付ける風の声にかき消されない程度の力強さを保ちながら、目の前で消えていく</p> <p>遠く沖の方で光の粒が跳ねる。水面に跳ね返った光はどうしてこんなに美しいのだろうか。死に行く君すら照らしていくすべての光が、ああ僕らの終わりを開くのだ。世界はいつも美しい。</p> <p>君は海に戻そうとする合間に死んだ。ついに死んだ。僕は沖に船を漕いで、君のすべてを海に葬った。沖の海を間近に見るとと、光ってなんていなかった。どっぷりとした厚みを持った青黒さがのっぺりと広がっているだけだ。こんなに分厚い壁の下で眠る君を思って少し泣く。二月の風は、しっかりと冷たかった。</p> ok8823 よくわからない hatenablog://entry/26006613693443596 2021-02-19T00:14:44+09:00 2021-02-19T00:16:40+09:00 あるひ私は一大決心をして文庫本の中にもぐってやった。物語は思ったよりも深さが無くてがっくりしたけれど、横の世界はどこまでも続いていて胸が高鳴る。水中から浮き上がってくる言葉たちを吸って吐いていれば息はいつまでも持つようである。 ずっと泳いでいくと、水中に宙遊するとても大きな一軒家が目に入った。窓から老婆のような物体が手招きしているので、お言葉に甘えて(といっても彼女は一言も発していないのである。これが言葉の綾というものだろうか)玄関を強めにノックした。だれも出てこないからドアノブをつかんだら、鍵がかかっておらず、そのままドアを引いて中に入ることができた。 三和土でスニーカーを脱いでお邪魔すると… <p> </p> <p>あるひ私は一大決心をして文庫本の中にもぐってやった。物語は思ったよりも深さが無くてがっくりしたけれど、横の世界はどこまでも続いていて胸が高鳴る。水中から浮き上がってくる言葉たちを吸って吐いていれば息はいつまでも持つようである。</p> <p>ずっと泳いでいくと、水中に宙遊するとても大きな一軒家が目に入った。窓から老婆のような物体が手招きしているので、お言葉に甘えて(といっても彼女は一言も発していないのである。これが言葉の綾というものだろうか)玄関を強めにノックした。だれも出てこないからドアノブをつかんだら、鍵がかかっておらず、そのままドアを引いて中に入ることができた。</p> <p>三和土でスニーカーを脱いでお邪魔すると、長い廊下がどこまでも続いていた。先は暗く、見通しは立たない。家の内は文字で満たされているから、先ほどまでとは比べ物にならないほどに呼吸が楽であるのだが、何者かが私のことをどこからか狙っているような気がして嫌な感じ。気を紛らわすためにポケットから<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iPod">iPod</a>を取り出して何時もの音楽を聴きいることにした。しかし、イヤホンから流れてくる音楽が私の言葉を奪っていくのだろうか、次第に呼吸が苦しくなったので、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iPod">iPod</a>はあきらめてカバンにしまった。</p> <p>いつまで行っても廊下が続いている。出口を見いだせない道は醜悪なので法律で禁止されているはずだが、この水中の一軒家まで法治が行き届いているのか分からなかった。</p> <p>歩き続けているうちに、この道は絞首台へと続いていると気が付いた。むかし見た映画でこんなシーンがあったなと思いだした。そうか、私は死に値するのだと思ったら、涙が止まらなくなった。死ぬことすらできない無数の魂たちを私は知っている。</p> <p>ついに絞首台が見えた。ああ、さよなら人類。いつか輪廻がめぐってきたら、またケーブルカーに乗りたいな。きれいにきれいに人生を踏みしめてみたい。感慨にふけりながら、私はいっぽいっぽ死へと近づいて行った。だけれども、私の体はいつまでたっても絞首台にたどり着けない。いつまで歩いても周りの景色が付いてきやがる。どうしたらよいのだろうか。死ぬことも生きることもままならない。ひどいと思った。</p> <p>その後も幾年か同じ状況に置かれ続けていたはずだが、いつのまにかびしょぬれで立ち尽くしている自分の姿に気が付いた。床には少しの水分を含んで文庫本が転がっていた。</p> <p> </p> ok8823 撃たれなかった拳銃 hatenablog://entry/26006613693021123 2021-02-18T00:46:00+09:00 2021-02-18T00:46:00+09:00 「チェーホフがこう言っている。物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない、と」「物語の中に、必然性のない小道具は持ち出すなということだよ」 村上春樹『1Q84』より この言葉に出会って、私は一種の怒りを覚えた。意味があることがそんなに偉いのかと。意味のないものが物語から締め出されるのであれば、私のような、たいていの人生に何の影響も及ぼさないような人間は、物語の登場人物にすらなれないで死んでいく。そんなのさみしいではないか。私は憤怒で燃えていた。 燃え滾っていたら、引火して、街に燃え広がった。めっきり雨の降らない2月の東京は乾燥しきっていた。瞬く間に広がっていく光景が滑稽で、意味… <p> </p> <blockquote> <p>「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C1%A5%A7%A1%BC%A5%DB%A5%D5">チェーホフ</a>がこう言っている。物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない、と」「物語の中に、必然性のない小道具は持ち出すなということだよ」</p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%BC%BE%E5%BD%D5%BC%F9">村上春樹</a>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A3%B1%A3%D1%A3%B8%A3%B4">1Q84</a>』より</p> </blockquote> <p> </p> <p>この言葉に出会って、私は一種の怒りを覚えた。意味があることがそんなに偉いのかと。意味のないものが物語から締め出されるのであれば、私のような、たいていの人生に何の影響も及ぼさないような人間は、物語の登場人物にすらなれないで死んでいく。そんなのさみしいではないか。私は憤怒で燃えていた。</p> <p>燃え滾っていたら、引火して、街に燃え広がった。めっきり雨の降らない2月の東京は乾燥しきっていた。瞬く間に広がっていく光景が滑稽で、意味をすべて焼き払ってしまえばいいと思った。</p> <p> </p> <p>誰かと誰かが一緒にいるのにも意味が必要なのだろうか。誰かがここにいることに意味が必要なのだろうか。撃たれなかった拳銃も美しいと思う。</p> <p> </p> ok8823 想像力の限度 hatenablog://entry/26006613692593965 2021-02-17T00:30:59+09:00 2021-02-17T00:30:59+09:00 ずっと自分の中で燻り続けているモチーフがある。極夜の東京。そんなものを想像してみると楽しくて仕方がない。もともと、ceroの「orphans」という曲で歌われる白夜の街という設定がすごく素敵に思っていた。単純な思考であるが、では逆に極夜とはどういったものなのか。それも、東京という街が昼間を失ったらどうなってしまうのか、気になってしょうがない。 それで、そんなモチーフから何かを抽出して創作物を作り出してみようと考えた。掌編でもいいので、みじかい物語を紡ぎたい。そういった野望で文字を打ち続けてみた。しかし、いざ文字にしようとすると全くダメなのである。イメージはあっても、言葉として成立させることが困… <p>ずっと自分の中で燻り続けているモチーフがある。極夜の東京。そんなものを想像してみると楽しくて仕方がない。もともと、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/cero">cero</a>の「orphans」という曲で歌われる白夜の街という設定がすごく素敵に思っていた。単純な思考であるが、では逆に極夜とはどういったものなのか。それも、東京という街が昼間を失ったらどうなってしまうのか、気になってしょうがない。</p> <p>それで、そんなモチーフから何かを抽出して創作物を作り出してみようと考えた。掌編でもいいので、みじかい物語を紡ぎたい。そういった野望で文字を打ち続けてみた。しかし、いざ文字にしようとすると全くダメなのである。イメージはあっても、言葉として成立させることが困難極まりない。そうやって書き手としての自信や希望をどんどんと自信を失っていく。</p> <p>不安の中を歩き回っていると、そもそも自分の中に確固としたイメージがあったのかも分からなくなってくる。そうか、自分には想像の才能すら備わっていないのだと絶望する。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%DC%BA%EA%BD%D9">宮崎駿</a>には猫バスが実際に見えるのだと何かの記事で読んだ気がする。欲しいのはそんな力だ。果たして今から手に入るものなのだろうか。</p> <p>とにもかくにも、心のうちに蓄えた心象イメージを豊かにしなければならない。今までぼんやりと見てきたイメージの正体を、両の眼を見開いて見破りたい。そのために何をするべきなのか。常に考え、常に想像を膨らませること。創作の中だけではなく、現実においても。今見ている景色の裏に見たいものを具体的に想像すべし。冷蔵庫の裏から巨大な龍が現れたりして。</p> <p> </p> ok8823 踊る理由が街にあふれて hatenablog://entry/26006613692140032 2021-02-15T23:27:46+09:00 2021-02-15T23:33:40+09:00 片想い「踊る理由」のライブ映像をYouTubeで見ていたら、こんなコメントを見つけた。 ぞくぞくした。震えた。自分は何で泣いてるんだろう 投稿は1週間前、いいねも返信も一つもついていない。コメント主がどのような思いでこの言葉を残したのかは分からないが、このとき彼(女)が何か切羽詰まる感情に襲われていたことは容易に想像できる。彼(女)が吐き出そうとしたのは、懐かしい青春の日々に対する絶望にも似た望郷の想いかもしれないし、人生の輝きを垣間見てしまったときに胸の底で巻き起こる幸福な焦燥感かもしれない。とにかく、この「ぞくぞくした。震えた。自分は何で泣いてるんだろう 」という言葉は、彼(女)が、もはや… <p><iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/y5LFv5-xWtU"></iframe></p> <p> </p> <p><span style="white-space: pre-wrap;" data-tt="{&quot;paragraphStyle&quot;:{&quot;alignment&quot;:4}}">片想い「踊る理由」のライブ映像を<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/YouTube">YouTube</a>で見ていたら、こんなコメントを見つけた。 </span></p> <p> </p> <blockquote> <p>ぞくぞくした。震えた。自分は何で泣いてるんだろう</p> </blockquote> <p> </p> <p> <span style="white-space: pre-wrap;" data-tt="{&quot;paragraphStyle&quot;:{&quot;alignment&quot;:4}}">投稿は1週間前、いいねも返信も一つもついていない。コメント主がどのような思いでこの言葉を残したのかは分からないが、このとき彼(女)が何か切羽詰まる感情に襲われていたことは容易に想像できる。彼(女)が吐き出そうとしたのは、懐かしい青春の日々に対する絶望にも似た</span>望郷の想いかもしれないし、人生の輝きを垣間見てしまったときに胸の底で巻き起こる幸福な焦燥感かもしれない。とにかく、この「<span style="white-space: pre-wrap;" data-tt="{&quot;paragraphStyle&quot;:{&quot;alignment&quot;:4}}">ぞくぞくした。震えた。自分は何で泣いてるんだろう 」という言葉は、彼(女)が、もはや自分のうちにはしまい込んでおくことのできなくなった大切な言葉であるはずだ。</span></p> <p><span style="white-space: pre-wrap;" data-tt="{&quot;paragraphStyle&quot;:{&quot;alignment&quot;:4}}">そんな大切な言葉も、今のところだれにも見向き去れずに、荒漠としたサイバー空間にほっとかれたままである。この地に放擲されてから一週間しかたってはいないとはいえ、このコメントが何千いいねを集めたりして日の目を浴びる可能性はおそらくゼロである。</span><span style="white-space: pre-wrap;" data-tt="{&quot;paragraphStyle&quot;:{&quot;alignment&quot;:4}}">誰にも見向きもされずに残骸として広大な荒地に堆積していく。それが<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B8%BD%C2%E5%BC%D2">現代社</a>会の不条理というもので、いやそれは些か大袈裟かもしれないが、私はそんな誰にも見向きもされない言葉たちを救いたいと思った。 </span></p> <p><span style="white-space: pre-wrap;" data-tt="{&quot;paragraphStyle&quot;:{&quot;alignment&quot;:4}}">すると、画面の中でいくつもの言葉が輝き始めたではないか。「<span style="color: var(--yt-spec-text-primary); font-size: var(--ytd-user-comment_-_font-size); font-weight: var(--ytd-user-comment_-_font-weight); letter-spacing: var(--ytd-user-comment_-_letter-spacing); background-color: transparent;">だいすきになった!!!今日出会った!」</span></span><span style="white-space: pre-wrap;" data-tt="{&quot;paragraphStyle&quot;:{&quot;alignment&quot;:4}}">無数の重厚な声たちが、画面から飛び出してきて僕の部屋になだれ込んできた。「<span style="color: var(--yt-spec-text-primary); font-size: var(--ytd-user-comment_-_font-size); font-weight: var(--ytd-user-comment_-_font-weight); letter-spacing: var(--ytd-user-comment_-_letter-spacing); background-color: transparent;">この時間を共有できた人たちがうらやましい。幸せって、きっと人生の中のこういう一瞬のことを言うのね。」</span>画面を押さえつけても次々と出てくる。「<span style="color: var(--yt-spec-text-primary); font-size: var(--ytd-user-comment_-_font-size); font-weight: var(--ytd-user-comment_-_font-weight); letter-spacing: var(--ytd-user-comment_-_letter-spacing); background-color: transparent;">本当にいいなー。奇跡みたいな気分になる。 」果たして</span>僕にはこのすべての声たちをひとしく大切にすることができるのだろうか。「これは 音楽にしかできない 楽しい。その喜びよ永遠に…」わからない。「毎週つい再生しにきちゃう。すてき!」</span>あふれてくる言葉は、この部屋をいっぱいに満たすと、少し開いた窓の隙間からするりと抜け出していく。「もうオマイラに任せたぜ!たのしいよ!!」言葉は東京の街を覆い、気が付けば七色のオーロラが空を駆けていた。人々は踊り、そして夜はふけていった。</p> ok8823 Homecomingsというバンド hatenablog://entry/26006613691486781 2021-02-14T15:29:52+09:00 2021-05-05T00:02:17+09:00 Homecomingsが昨年クリスマスに行ったライブ「BLANKET TOWN BLUES」を視聴した。本来であれば会場に赴いて直接お目にかかりたかったライブだが都合がつかず、その後アーカイブ配信をしていたのも知っていたのだがタイミングを逸していて、けっきょく配信最終日に視聴する羽目となったのだが、見逃さなくて本当によかったと思える出来であった。 曲が良いことはもちろんなのだが、今回はボーカル畳野彩加の歌唱が安定したことで、演奏としてのクオリティが格段に向上した。バンドの最大の強みであるコーラスワークの素晴らしさも健在で、ストリングス部隊もはまっており、文句なしのライブだ。そして映像も高画質で… <p><iframe width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen="" src="//www.youtube.com/embed/QqUqMtx-R18"></iframe><a href="https://youtube.com/watch?v=QqUqMtx-R18"> </a></p> <p> </p> <p>Homecomingsが昨年クリスマスに行ったライブ「BLANKET TOWN BLUES」を視聴した。本来であれば会場に赴いて直接お目にかかりたかったライブだが都合がつかず、その後<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A1%BC%A5%AB%A5%A4%A5%D6">アーカイブ</a>配信をしていたのも知っていたのだがタイミングを逸していて、けっきょく配信最終日に視聴する羽目となったのだが、見逃さなくて本当によかったと思える出来であった。</p> <p>曲が良いことはもちろんなのだが、今回はボーカル畳野彩加の歌唱が安定したことで、演奏としてのクオリティが格段に向上した。バンドの最大の強みであるコーラスワークの素晴らしさも健在で、ストリングス部隊もはまっており、文句なしのライブだ。そして映像も高画質で素晴らしく、1,500円という決して安くない視聴料にまったく不満を覚えない出来だった。</p> <p> </p> <p>しかし彼らを聴き続けて何年になるのだろうとか考えていたら、いろいろと思い出すものがあり、自分語りも含めて彼らの来歴を追いなおしてみることにした。</p> <p> </p> <p>Homecomingsの音楽と初めて出会ったのは、2013年に発表された「Sunday」のミュージックビデオだったと思う。たよりない英語詞で歌うボーカルの不安定さと端正なメロディが醸し出すものさみしさとうつくしさの混在に魅了されて、すぐにファーストアルバム『Homecoming with me?』を今は亡き<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B7%BD%C9TSUTAYA">新宿TSUTAYA</a>でレンタルした。どことなく<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A1%BC%A5%D1%A1%BC%A5%AB%A1%BC">スーパーカー</a>を訪仏させる「青さ」が素晴らしいアルバムだ。</p> <p>翌年には彼らのアン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%BB%A5%E0">セム</a>ともいえる「I want you back」が出ており、この時点ですっかり虜であった。そして、同年に発表された<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%BF%B2%EC%A4%B5%A4%C1%BB%DE">平賀さち枝</a>との共作『白い光の朝に』で、彼らの存在は確実に自分にとって特別なものとなるある。人生の何もかもを肯定してしまうような美しい歌詞とメロディ。誰かの青春をそのまま切り取ったようなミュージックビデオ。身体の底から多幸感があふれ出して止まらなくなるような音楽と出会えて、本当に幸せな体験であった。</p> <p>続けて2015年に発表された『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Hurts">Hurts</a>』が大きく跳ねて、彼らの存在はより多くの音楽ファンに認知されることになったと思われる。このミュージックビデオで見せつけられる若さとカッコよさがまぶしくて、このころの彼らが放っていた「無敵感」は筆舌に尽くしがたい。</p> <p>その後も、「SYMPHONY」や「Songbirds」(大名作『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%BA%A4%C8%C0%C4%A4%A4%C4%BB">リズと青い鳥</a>』の主題歌)などハイクオリティなシングルを発表し、2018年の4枚目のアルバム『WHALE LIVING』(2018年)ではついに日本語詞を解禁する。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%A4%A5%C7%A5%F3%A5%C6%A5%A3%A5%C6%A5%A3">アイデンティティ</a>であった英語詞を捨てることに対する不安は、「Hull Down」「Blue Hours」といった美しい日本語を積んだ名曲を聴いて吹き飛んだ。<br />そして、今春には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%DD%A5%CB%A1%BC%A5%AD%A5%E3%A5%CB%A5%AA%A5%F3">ポニーキャニオン</a>からのメジャーデビューが決まっている。気が付けば彼らも結成から9年目を迎える。結成9年目というのは、彼らの敬愛する<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B9%A5%D4%A5%C3%A5%C4">スピッツ</a>が『チェリー』を発表してメジャーバンドとしての地位を確立した年でもある。メジャーデビューを契機に、彼らの楽曲がより多くの人に届いてほしいと願うばかりだ。</p> <p> </p> <p> </p> <p> </p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fok8823.hatenadiary.com%2Fentry%2F2020%2F01%2F31%2F222327" title="平賀さち枝とホームカミングス「かがやき」 - オーロラになれなかった人のために" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://ok8823.hatenadiary.com/entry/2020/01/31/222327">ok8823.hatenadiary.com</a></cite></p> <p> </p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=http%3A%2F%2Fok8823.hatenadiary.com%2Fentry%2F2018%2F05%2F01%2F155957" title="山田尚子『リズと青い鳥』 互いに素の美しさ - オーロラになれなかった人のために" class="embed-card embed-blogcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 190px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="http://ok8823.hatenadiary.com/entry/2018/05/01/155957">ok8823.hatenadiary.com</a></cite></p> <p> </p> ok8823 【受賞作予想】第164回芥川龍之介賞 hatenablog://entry/26006613680498162 2021-01-19T23:54:54+09:00 2021-05-05T00:05:30+09:00 芥川賞候補作全部読む企画第三弾。今回も粒ぞろいでした。さっさと作品ごとの感想に移ります。読了順。 尾崎世界観 「母影」 母影(おもかげ) 作者:尾崎 世界観 発売日: 2021/01/29 メディア: 単行本 クリープハイプは実は食わず嫌いしているバンドの一つだったりして、世界観さんの作品もこれまで読めていなかったのだが、『25の短編小説』というアンソロジーに収録されていた「サクラ」という短編が案外と地味で暗くてかっこつけすぎていなくて好きだったりしたので、最近少し気になってはいた。本作も同様に地味で暗い作品であるでよかったと思う。特筆すべきはその文体で、小学生の少女が出会うふわふわとした世界… <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%A9%C0%EE%BE%DE">芥川賞</a>候補作全部読む企画第三弾。今回も粒ぞろいでした。さっさと作品ごとの感想に移ります。読了順。</p> <p> </p> <p><strong><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%F8%BA%EA%C0%A4%B3%A6%B4%D1">尾崎世界観</a> 「母影」</strong> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103521422/hatena-blog-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51kzyIQAh+L.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="母影(おもかげ)" title="母影(おもかげ)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4103521422/hatena-blog-22/">母影(おもかげ)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C8%F8%BA%EA%20%C0%A4%B3%A6%B4%D1" class="keyword">尾崎 世界観</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2021/01/29</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AF%A5%EA%A1%BC%A5%D7%A5%CF%A5%A4%A5%D7">クリープハイプ</a>は実は食わず嫌いしているバンドの一つだったりして、世界観さんの作品もこれまで読めていなかったのだが、『25の短編小説』というアンソロ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>に収録されていた「サクラ」という短編が案外と地味で暗くてかっこつけすぎていなくて好きだったりしたので、最近少し気になってはいた。本作も同様に地味で暗い作品であるでよかったと思う。特筆すべきはその文体で、小学生の少女が出会うふわふわとした世界の感触がうまく醸し出していたのはそれのおかげではないだろうか。</p> <p> </p> <p> </p> <p><strong>砂川文次 「小隊」</strong> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163913386/hatena-blog-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41VPT7v6bFL.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="小隊" title="小隊" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163913386/hatena-blog-22/">小隊</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BA%BD%C0%EE%20%CA%B8%BC%A1" class="keyword">砂川 文次</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2021/02/12</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>戦場小説。北海道を舞台に<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BC%AB%B1%D2%C2%E2">自衛隊</a>とロシア軍が戦闘を繰り広げるSF作品。内面描写などがほとんどなく、ただひたすらに戦場の様子が描写される。果たしてこれは純文学なのか、いやそもそも純文学ってなんだ、みたいな漫才論争のような疑問もよぎったのであるが、淡々と戦場を描いていく中で戦場における死という現象に確かなリアリティが与えられていく様を鑑みるに、死と生について他の作品とは別の角度から切り込んでいく作品であると評価した。</p> <p> </p> <p> </p> <p><strong>宇佐見りん 「推し、燃ゆ」</strong></p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08HGQXTKY/hatena-blog-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41p3u3nYuwL.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="推し、燃ゆ" title="推し、燃ゆ" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08HGQXTKY/hatena-blog-22/">推し、燃ゆ</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B1%A7%BA%B4%B8%AB%A4%EA%A4%F3" class="keyword">宇佐見りん</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/09/10</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>だれも私のことをわかってくれない。突き詰めると人間のコミュニケーションなどそんなものだ。言葉は不完全で、すべてを伝えるにはあまりに拙い。だから、それでもあの人だけはわかってくれるはずと強く信じることで人は生きていかなければならない。たとえそれがアイドルという虚構であっても。まあそういうことです。それにしても、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CA%B8%E9%BA%BE%DE">文藝賞</a>同時受賞の遠野遥といい、河出の純文学系作家の売り出し方は非常にうまいなと舌を巻く。</p> <p> </p> <p> </p> <p><strong>木崎みつ子 「コンジュジ」</strong></p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08R9D4SJR/hatena-blog-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/415hCH9vE3L.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="コンジュジ (集英社文芸単行本)" title="コンジュジ (集英社文芸単行本)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08R9D4SJR/hatena-blog-22/">コンジュジ (集英社文芸単行本)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CC%DA%BA%EA%A4%DF%A4%C4%BB%D2" class="keyword">木崎みつ子</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2021/01/20</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>これもまた虚構に自分の存在意義を預けてしまった少女の物語である。ただし、「推し、燃ゆ」よりも狂気的で、しかしその狂気がやや奇をてらっている感じを受けてしまった。あと、いかにも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A4%B9%A4%D0%A4%EB%CA%B8%B3%D8%BE%DE">すばる文学賞</a>出身という感じがするのはなぜだろうか。</p> <p> </p> <p> </p> <p><strong>乗代雄介 「旅する練習」</strong></p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08QHXDXYY/hatena-blog-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41+xpbzJTbL.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="旅する練習" title="旅する練習" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B08QHXDXYY/hatena-blog-22/">旅する練習</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BE%E8%C2%E5%CD%BA%B2%F0" class="keyword">乗代雄介</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/12/28</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>圧巻です。旅に出た叔父と姪っ子がただただ歩き続けるという平凡な物語なのだけれど、そこに織り込まれていくひとつひとつの話が純文学的でかつハートフル。書く・読むという行為一般に対する作者の熱量が非常にポップな装いで提供される。読書家でよかったと思わせてくれる素晴らしい作品だ。</p> <p> </p> <p><strong>まとめ</strong></p> <p>絶対的に「旅する練習」を推す。物語の重層性、読みやすさ、読みごたえ、主題の表現方法、すべてにおいて群を抜いており、選考委員にも評価されると考える。次点は「小隊」とした。一般的な純文学とは異なる角度で、生と死という人間の核心部分に迫ろうとする気概にスポットを当ててもらいたい。「推し、燃ゆ」「母影」も面白かった。</p> ok8823 『地球の歩き方』東京編 を買う hatenablog://entry/26006613633113371 2020-09-27T14:53:23+09:00 2021-05-05T00:07:14+09:00 J01 地球の歩き方 東京 2021~2022 発売日: 2020/09/02 メディア: 単行本(ソフトカバー) 自分がほかの人からどのように見られているのか、とても気になる人間だ。そんなの気にしないで自分らしく生きようぜみたいなノリの人は全員とは言わずともたいてい偽善者だと思っている。で、それは領域を少し広げて、自分の住んでいる街や国がどういう風にみられているのか、という思考にも繋がってくる。ついに刊行された『地球の歩き方』東京編は、そういった興味関心を満たしくれる面白い一冊だと思う。たいていの場合、海外旅行の第一印象はその国に降り立った瞬間ではなく『地球の歩き方』を読んだときに植え付けら… <p> </p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478824916/hatena-blog-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51LkseJPxoL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="J01 地球の歩き方 東京 2021~2022" title="J01 地球の歩き方 東京 2021~2022" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478824916/hatena-blog-22/">J01 地球の歩き方 東京 2021~2022</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/09/02</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本(ソフトカバー)</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> <br />自分がほかの人からどのように見られているのか、とても気になる人間だ。そんなの気にしないで自分らしく生きようぜみたいなノリの人は全員とは言わずともたいてい偽善者だと思っている。で、それは領域を少し広げて、自分の住んでいる街や国がどういう風にみられているのか、という思考にも繋がってくる。ついに刊行された『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%B5%E5%A4%CE%CA%E2%A4%AD%CA%FD">地球の歩き方</a>』東京編は、そういった興味関心を満たしくれる面白い一冊だと思う。<br />たいていの場合、海外旅行の第一印象はその国に降り立った瞬間ではなく『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%B5%E5%A4%CE%CA%E2%A4%AD%CA%FD">地球の歩き方</a>』を読んだときに植え付けられる。この国にはこういう場所があって、こういう風なエリア分けがされていて、ここは絶対に訪れないといけない。『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%B5%E5%A4%CE%CA%E2%A4%AD%CA%FD">地球の歩き方</a>』を読みながらそんなことを考えているときから旅行は始まっていると思う。もちろん、その国や街のすべての内容を網羅できないことは分かっているが、限られた紙面で掲載された場所やトピックには公式感が付与され、掲載されなかった内容は「ディープ」「<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%AB%A5%EB">サブカル</a>」みたいな公式から外れたものとしての印象が深くなる。その意味で、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%B5%E5%A4%CE%CA%E2%A4%AD%CA%FD">地球の歩き方</a>』はその国の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%A4%A5%F3%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">メインカルチャー</a>を伝える正史みたいな書物だと言えるかもしれない。<br />そんな「正史」であるが、なるほど海外についてはたくさんの種類が出ているわけだが、我が国である日本についての特集は組まれてこなかった。だから、もし日本版を出すならどういう構成でどんな場所を取り上げようかな、みたいな妄想を一人でため込みながらにやにやする、というのも人生のささやかな楽しみであったりしたのだが、この度公式な「正史」としての東京版刊行は、それはそれは大ニュースなのである。<br />さっそく近所の本屋でかってざっと読んでみた。まず思ったのは、ガイドブックとしてはあまり実用性がないかなということ。東京の名所を網羅的に取り上げてはいるが、ひとつひとつの内容にそれほど文書量が割けていないので、『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%B6%CA%E2%A4%CE%C3%A3%BF%CD">散歩の達人</a>』とか『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/BRUTUS">BRUTUS</a>』の方がよっぽど中身があると思う。しかし、この本はもともとそういった実用性を求めて買うようなものではないと思っている。真の価値は、度の街がどれだけの量を取り上げられているのかを確認することにある。つまり、何が東京の顔として扱われているのか、資料というか史料としてチェックする楽しみが、この本の醍醐味なのだ。<br />まず表紙に注目すると、雷門のイラストが使われている。中身を見ると、最初に取り上げられるエリアは<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C6%FC%CB%DC%B6%B6">日本橋</a>・銀座・築地周辺。領国や<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%B6%C0%A1%C7%F2%B2%CF">清澄白河</a>、柴又なんかにも紙面が割かれていて、東京東部がメインとして扱割れている感じを受ける。一方で、新宿・渋谷・池袋は思ったよりも言及が少なく、中央線沿線もかろうじて吉祥寺が取り上げられているが、中野高円寺下北沢といった街はほとんど触れられていない。全体的にみて、歴史のある東側は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%E1%A5%A4%A5%F3%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">メインカルチャー</a>として大々的に扱われているが、戦後に栄えた西側は<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%D6%A5%AB%A5%EB%A5%C1%A5%E3%A1%BC">サブカルチャー</a>という位置づけが強くなされているように思えて、とても興味深かった。個人的には、先にふれた高円寺中野や下北沢とか赤羽とか北千住、そういったディープタウンにももっと照準を当ててもかなとおもったが、そのあたりは正史に乗っけずに、先人たちがアップしているブログとかユーチューブとかを見て、知る人ぞ知るスポットみたいな扱いでいるのもありなのかもしれない。</p> ok8823 2020/7/23の日記 hatenablog://entry/26006613603163558 2020-07-23T23:34:00+09:00 2021-05-05T00:02:04+09:00 人生2回目のコストコ。全てが馬鹿デカくてアメリカンな気分に浸れるのが良いのだけれど、すごい密な状態でこのご時世に少し心配ではある。吉本ばなな『TUGUMI』を初めて読む。エンタメ的なストーリー展開の中で時折ひかる情景描写の鋭さが魅力的。これが80年代感とでもいうのだろうか。ところでテン年代的ってなんなんだろう。 <p>人生2回目の<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B3%A5%B9%A5%C8%A5%B3">コストコ</a>。全てが馬鹿デカくて<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%E1%A5%EA">アメリ</a>カンな気分に浸れるのが良いのだけれど、すごい密な状態でこのご時世に少し心配ではある。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B5%C8%CB%DC%A4%D0%A4%CA%A4%CA">吉本ばなな</a>『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/TUGUMI">TUGUMI</a>』を初めて読む。エンタメ的なストーリー展開の中で時折ひかる情景描写の鋭さが魅力的。これが80年代感とでもいうのだろうか。ところで<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%C6%A5%F3%C7%AF%C2%E5">テン年代</a>的ってなんなんだろう。</p> ok8823 2020/7/22の日記 hatenablog://entry/26006613602453005 2020-07-23T00:07:47+09:00 2021-05-05T00:02:04+09:00 アパートの外廊下に信じられない大きさのクモが巣を張っている。コバエとか害虫を捕食してくれるので有難い存在だと決めつけて駆除していないが大丈夫だろうか。 <p>アパートの外廊下に信じられない大きさのクモが巣を張っている。コバエとか害虫を捕食してくれるので有難い存在だと決めつけて駆除していないが大丈夫だろうか。</p> ok8823 2020/7/21の日記 hatenablog://entry/26006613601847435 2020-07-21T22:28:38+09:00 2021-05-05T00:02:04+09:00 Pavementの「Spit On A Stranger」が最高だ。在宅勤務中もずっと聴いている。もともとはhomecomingsのガバーで知った曲。この黄昏感がたまらない。話は変わるけれど、2020年という時代の何処かには我々の知らないもう一つの世界線が広がっているような気が最近している。それくらいの妄想を楽しんでもバチは当たらないだろう。 <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/JJFGhFtKxPc" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe></p> <p><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Pavement">Pavement</a>の「Spit On A Stranger」が最高だ。在宅勤務中もずっと聴いている。もともとはhomecomingsのガバーで知った曲。この黄昏感がたまらない。話は変わるけれど、2020年という時代の何処かには我々の知らないもう一つの<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%A4%B3%A6%C0%FE">世界線</a>が広がっているような気が最近している。それくらいの妄想を楽しんでもバチは当たらないだろう。</p> ok8823 2020/7/20の日記 hatenablog://entry/26006613601454541 2020-07-20T23:11:39+09:00 2021-05-05T00:02:04+09:00 『天気の子』公開から一年が経ったらしい。YouTubeでPVを見返したけれど、たった2分でこんなにワクワクさせる予告は他にないんじゃないか。天気ってのは人間にはどうすることもできないことのメタファーであって2020年の状況とリンクしてる云々も語りたいがちょっと野暮か。とにかく、「ねえ、今から晴れるよ!」この台詞がいまこそ一番求められているはず。そして、去年はしっかり「夏」があったんだよなーとか思ったりも。映画館でもう一度見たいぜ。 <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/VGksHFs04Rc" width="560" height="315" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe>『天気の子』公開から一年が経ったらしい。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/YouTube">YouTube</a>でPVを見返したけれど、たった2分でこんなにワクワクさせる予告は他にないんじゃないか。天気ってのは人間にはどうすることもできないことのメタファーであって2020年の状況とリンクしてる云々も語りたいがちょっと野暮か。とにかく、「ねえ、今から晴れるよ!」この台詞がいまこそ一番求められているはず。そして、去年はしっかり「夏」があったんだよなーとか思ったりも。映画館でもう一度見たいぜ。</p> <p> </p> ok8823 SaToA hatenablog://entry/26006613579755100 2020-06-06T12:52:10+09:00 2021-05-05T00:02:17+09:00 youtu.be 最近はずっとSaToAを聴いている。とってもポップなんだけれども、ちょっと不安になることがある。心地よい不穏。なんだか今村夏子の小説を読んでいるような気分にさせてくれるバンドなのだ。 むかし、rumania montevideoというバンドがあった。それにも似ている。虚無感が溢れ出してくる感じ。こちらは自覚的でなっかったような気がするが、SaToAは確信犯だと思う。根拠はないけど。 外は暑い。蒸す。ほこりっぽい室内を扇風機が巻き上げるような昼下がりにでも聴くのがぴったりです。午睡のお供にいかがでしょうか。 youtu.be <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/YgBcDc3euBw?feature=oembed" width="459" height="344" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://youtu.be/YgBcDc3euBw">youtu.be</a></cite></p> <p>最近はずっとSaToAを聴いている。とってもポップなんだけれども、ちょっと不安になることがある。心地よい不穏。なんだか今村夏子の小説を読んでいるような気分にさせてくれるバンドなのだ。</p> <p>むかし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/rumania%20montevideo">rumania montevideo</a>というバンドがあった。それにも似ている。虚無感が溢れ出してくる感じ。こちらは自覚的でなっかったような気がするが、SaToAは確信犯だと思う。根拠はないけど。</p> <p>外は暑い。蒸す。ほこりっぽい室内を扇風機が巻き上げるような昼下がりにでも聴くのがぴったりです。午睡のお供にいかがでしょうか。</p> <p><iframe src="https://www.youtube.com/embed/otpsk_aoB30?feature=oembed" width="459" height="344" frameborder="0" allowfullscreen=""></iframe><cite class="hatena-citation"><a href="https://youtu.be/otpsk_aoB30">youtu.be</a></cite></p> <p> </p> ok8823 KAITO『青のフラッグ』 hatenablog://entry/26006613579746778 2020-06-06T12:23:47+09:00 2021-05-05T00:08:24+09:00 青のフラッグ 8 (ジャンプコミックスDIGITAL) 作者:KAITO 発売日: 2020/06/04 メディア: Kindle版 高校三年生の太一は、ある日クラスメイトの二葉から相談を受ける。それは、太一の幼馴染・トーマへの恋慕の話であった。太一は、二葉とトーマをくっつけるために奔走するなかで、二葉への想いもつのらせていき・・・。親友か恋人か。ただそれだけならよくある青春三角関係物語なのだけれど、トーマにとって太一の存在が親友以上の重みを持ち合わせていることが、事態をややこしくする。三角の矢印が完全な形で循環する彼らの青春は、眩しさとか恥ずかしさとか美しさとかをたっぷりと含んで深まっていく… <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B087CGYP2V/hatena-blog-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/51itTQXcEWL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="青のフラッグ 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)" title="青のフラッグ 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B087CGYP2V/hatena-blog-22/">青のフラッグ 8 (ジャンプコミックスDIGITAL)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/KAITO" class="keyword">KAITO</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2020/06/04</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p>高校三年生の太一は、ある日クラスメイトの二葉から相談を受ける。それは、太一の幼馴染・トーマへの恋慕の話であった。太一は、二葉とトーマをくっつけるために奔走するなかで、二葉への想いもつのらせていき・・・。親友か恋人か。ただそれだけならよくある青春三角関係物語なのだけれど、トーマにとって太一の存在が親友以上の重みを持ち合わせていることが、事態をややこしくする。三角の矢印が完全な形で循環する彼らの青春は、眩しさとか恥ずかしさとか美しさとかをたっぷりと含んで深まっていく。やっかいな三角関係は、夏祭りでの一件でいったんの完結を見るのだが、トーマに恋心を寄せるクラスの女王・マミの存在が再び物語をドライブさせる。思ったこと感じたことをずズケズケと口にする彼女の雄弁さに触発されてか、やがて太一たちの周囲の人物たちが自分の理想や考えをストレートに語り合うようになる。恋愛とは何か、友達とは何か、人生とは何か。若気の至りといえばそれまでだが、自分の人生に全力でぶつかろうとする高校生たちの眩しさが弾けていく。このあたりから「説教臭い」「台詞が多すぎる」といった批判も増えていった印象ではあるが、この主張の発露こそ『青のフラッグ』の最大の魅力であると主張したい。誤解を恐れずに評すれば、特にマミの台頭以降、この漫画は非常に観念小説的である。より正確に言うのであれば、観念が高校生たちに憑依した青春漫画なのだ。観念の傀儡に陥ることなく、太一・二葉・トーマの青春は完結する。最後の展開には賛否両論もありそうだが、そこまで含めてこの作品のすべてが好きである。</p> ok8823 ここしばらく hatenablog://entry/26006613557251206 2020-05-04T10:55:34+09:00 2021-05-05T00:02:04+09:00 4/27月 雨。一日在宅でデスクワークしていたせいなのかわからないが椅子に座っていると地震でもないのに揺れている気分を感じる。エコノミー症候群?憂さ晴らしに昨日配信されていたサンボマスターのライブ映像アーカイブ(すでに削除済み)を見て発狂していた。「青春狂騒曲」「美しき人間の日々」聴きながら気づいたらベッドの上ででんぐり返ししていたけどお隣に怒られないかしらん。コロナ終わったら絶対ライブ行く。 4/28 水 祝日の天気は晴れ。いよいよ春らしくなってきた。江ノ島でも行きたいところだが、かわりに『三体』に影響されて購入した「文藝」2020春号の中国SF特集をずっと読んでいました。昨今の中国文学に関… <p>4/27月</p> <p>雨。一日在宅でデスクワークしていたせいなのかわからないが椅子に座っていると<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C3%CF%BF%CC">地震</a>でもないのに揺れている気分を感じる。エコノミー症候群?憂さ晴らしに昨日配信されていた<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B5%A5%F3%A5%DC%A5%DE%A5%B9%A5%BF%A1%BC">サンボマスター</a>のライブ映像<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A1%BC%A5%AB%A5%A4%A5%D6">アーカイブ</a>(すでに削除済み)を見て発狂していた。「青春狂騒曲」「美しき人間の日々」聴きながら気づいたらベッドの上ででんぐり返ししていたけどお隣に怒られないかしらん。コロナ終わったら絶対ライブ行く。</p> <p> </p> <p>4/28 水</p> <p>祝日の天気は晴れ。いよいよ春らしくなってきた。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B9%BE%A5%CE%C5%E7">江ノ島</a>でも行きたいところだが、かわりに『三体』に影響されて購入した「文藝」2020春号の中国SF特集をずっと読んでいました。昨今の中国文学に関する記事とか著名作家であるケン<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%EA%A5%E5%A5%A6">リュウ</a>などの作品とかが掲載されていてそれはそれで面白かったが、個人的には、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%B9%CA%B8">孫文</a>の「大<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A2%A5%B8%A5%A2%BC%E7%B5%C1">アジア主義</a>主義公演」にファンタ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>要素を取り入れた佐藤究「ツォンパントリ」という小説が一番よかった。歴史上の実在人物を扱った作品(時代小説とか)ってあまり得意ではなかったのだけれども、そこにファンタ<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%B8%A1%BC">ジー</a>要素が加わると途端に好きになることが最近わかってきた(『三体』『熱帯』しかり)。さて、中国特集とは関係なく掲載されていた山下絋加「クロス」という中編についても語りたい。至極簡単に内容を説明するならば妻がいながら女装趣味が興じて同性愛に目覚めた男(女?)の話であり、物語としては面白く読めた。しかし、昨今の性的マイノリティあるいは人種的マイノリティを主人公とする小説が溢れかえった文壇の趨勢にはちょっとどうなんだろうと思う部分がある。それは自分がある種のマジョリティとして本来的に「理解できない」ということに由来する違和感なのかもしれないが。酷く反動的に思われるかもしれないが、感じてしまったものは仕方ない。まったく話は変わるが天国旅行というバンドの音楽にはまりそうだ。むかし、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Lost%20in%20Time">Lost in Time</a>というバンドが好きだったのだけれど、それと近い泥臭さとひりひりとした情動を感じる。</p> <p><div class="itunes-embed freezed itunes-kind-song"><a href="https://music.apple.com/jp/album/%E5%8D%93%E4%B8%8A%E3%81%AE%E8%8A%B1%E7%93%B6/1506025649?i=1506025653&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog" rel="nofollow" target="_blank"><img src="https://cdn.image.st-hatena.com/image/scale/c5c89e5065c261afb0453a1cafb9d4134251c0ce/enlarge=0;height=200;version=1;width=200/https%3A%2F%2Fis3-ssl.mzstatic.com%2Fimage%2Fthumb%2FMusic123%2Fv4%2F51%2Fe2%2F05%2F51e205a4-4685-c9bb-831b-76c3b063bdc2%2Fsource%2F100x100bb.jpg" alt="卓上の花瓶" title="卓上の花瓶" class="itunes-embed-image"/></a><div class="itunes-embed-info"><p class="itunes-embed-title"><a href="https://music.apple.com/jp/album/%E5%8D%93%E4%B8%8A%E3%81%AE%E8%8A%B1%E7%93%B6/1506025649?i=1506025653&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog" rel="nofollow" target="_blank">卓上の花瓶</a></p><ul><li class="itunes-embed-artist">天国旅行</li><li class="itunes-embed-genre"><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%AA%A5%EB%A5%BF%A5%CA%A5%C6%A5%A3%A5%D6">オルタナティブ</a></li><li class="itunes-embed-price">¥204</li><li class="itunes-embed-badge"><a href="https://music.apple.com/jp/album/%E5%8D%93%E4%B8%8A%E3%81%AE%E8%8A%B1%E7%93%B6/1506025649?i=1506025653&uo=4&at=10l8JW&ct=hatenablog" rel="nofollow" target="_blank"><img src="https://cdn.blog.st-hatena.com/images/theme/itunes/itunes-badge-itunes@2x.png" width="44px" height="15px" /></a></li></ul><ul><li class="itunes-embed-preview"><audio src="https://audio-ssl.itunes.apple.com/itunes-assets/AudioPreview123/v4/0f/b4/f5/0fb4f584-afe0-da33-4f53-ace92b16c168/mzaf_11234773520668113653.plus.aac.p.m4a" controls></audio></li><li><small class="provided-courtesy-of-itunes">provided courtesy of <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/iTunes">iTunes</a></small></li></ul></div></div></p> <p> </p> <p>5/1 金</p> <p>有給を取ったがどこにも行けない。しょうがないから冒険譚を読む。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D1%C8%A8%CD%A3%B2%F0">角幡唯介</a>『雪男は向うからやって来た』は雪男さがしを目的としたヒマラヤ探索について描いたノンフィクション作品、なのだが、その探索の記録そのものが主題であるわけではないという点が味噌。19世紀以降の世界の探検家がどのように雪男に魅せられてきたのか、個々の物語が交差していく記述のあり方がとても面白い。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087451402/hatena-blog-22/"><img src="https://m.media-amazon.com/images/I/41wQ8LB9ZaL._SL160_.jpg" class="hatena-asin-detail-image" alt="雪男は向こうからやって来た (集英社文庫)" title="雪男は向こうからやって来た (集英社文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087451402/hatena-blog-22/">雪男は向こうからやって来た (集英社文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B3%D1%C8%A8%20%CD%A3%B2%F0" class="keyword">角幡 唯介</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2013/11/20</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 文庫</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p>ここ二日くらいは東京の感染者数が二ケタに抑えられていたのでそろそろ光明が見えるかと期待していたが、今日は165人感染と報道されて落胆が大きい。しんどいな。</p> <p> </p> <p>5/2 土</p> <p>FODの会員登録初月無料を利用して、ついに『映像研には手を出すな!』のいっき見を開始!一応とびとびで放送は追ってはいたのだが、まとめてみられる喜びはひとしお。妄想が現実を追い越していくさまがどうしようもなく愛おしい。『桐島』のラストシーンがずっと続くようなものである。極めつけは第七話の水崎氏の台詞。</p> <p> </p> <blockquote> <p>どこの誰だか知らないけど、あんたのこだわりは私に通じたぞって。</p> <p>私はそれをやるために、アニメーションを描いてんだよ。</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <blockquote> <p>チェーンソーの振動が観たくて、死にかかっている人がいるかもしれない。</p> <p>私はチェーンソーの刃が跳ねる様子が観たいし、そのこだわりで生き延びる。</p> <p>大半の人が細部を見なくても、私は私を救わなきゃいけない。</p> <p>動きの一つ一つに感動する人に、私はここにいるって、言わなくちゃいけないんだ。</p> </blockquote> <p> </p> <p> </p> <p>5/3 日</p> <p>引き続き『映像研』を鑑賞。芝浜という架空の街を練り歩く回が大好きだ。複雑な水系、地下商店街、街好きには興奮必至のガジェットでいっぱいだ。こんな街を訪れてみたい。並行して<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%C4%CD%E8%CD%AD%B0%EC">青来有一</a>『悲しみと無のあいだ』という小説を読んでいたけれど、こちらでは長崎という具体的な街が細やかに描写されていて旅情が高まる。2年前に訪れたがまた行きたい。最近、行きたいところが多すぎるので、空想地図を創作して自分の考える最強の街を表現してみたいとおもう。中学時代は一人で空想地図を作っていたな。近くを散歩していたら、鯉幟が上がっていた。こんな状況でも<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%D2%B6%A1%A4%CE%C6%FC">子供の日</a>はしっかりやってくるんだな、と当たり前のことを考えていたりもした。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B011QT6TXA/hatena-blog-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="悲しみと無のあいだ (文春e-book)" src="https://m.media-amazon.com/images/I/41br7e6DIjL._SL160_.jpg" alt="悲しみと無のあいだ (文春e-book)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B011QT6TXA/hatena-blog-22/">悲しみと無のあいだ (文春e-book)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%C4%CD%E8%CD%AD%B0%EC">青来有一</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2015/07/31</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> <a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Kindle">Kindle</a>版</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> ok8823 ここしばらく hatenablog://entry/26006613551426108 2020-04-27T00:21:27+09:00 2021-05-05T00:02:04+09:00 4/17(金) 在宅勤務に嫌気がさしたので有給。免許期限が迫っていたため石神井までチャリを飛ばして延長手続き。途中で通りかかった石神井公園がとてもいい感じだったので落ち着いたらまた来たい。坂道を思いきり下る時、全身に受ける春の風がなんだか寂しくて嫌になる。 4/22(水) 話題の『三体』に遅ればせながら取り掛かったが最高だ。ハリーポッター以来の興奮といって伝わるだろうか。このスケール感はやみつきになる。 三体 作者:劉 慈欣 発売日: 2019/07/04 メディア: ハードカバー 4/24(金) 『三体』ついに読み終わった。感動ものですね。6月に二作目が出る。しかも上下巻だ。骨太。想像力を掻… <p>4/17(金)</p> <p>在宅勤務に嫌気がさしたので有給。免許期限が迫っていたため<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D0%BF%C0%B0%E6">石神井</a>までチャリを飛ばして延長手続き。途中で通りかかった<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%D0%BF%C0%B0%E6%B8%F8%B1%E0">石神井公園</a>がとてもいい感じだったので落ち着いたらまた来たい。坂道を思いきり下る時、全身に受ける春の風がなんだか寂しくて嫌になる。</p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:ok8823:20200417160533j:image" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/ok8823/20200417/20200417160533.jpg" alt="f:id:ok8823:20200417160533j:image" /></p> <p> </p> <p>4/22(水)</p> <p>話題の『三体』に遅ればせながら取り掛かったが最高だ。<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%CF%A5%EA%A1%BC%A5%DD%A5%C3%A5%BF%A1%BC">ハリーポッター</a>以来の興奮といって伝わるだろうか。このスケール感はやみつきになる。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152098708/hatena-blog-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="三体" src="https://m.media-amazon.com/images/I/41v9LNv-k4L._SL160_.jpg" alt="三体" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152098708/hatena-blog-22/">三体</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CE%AD%20%BB%FC%B6%D5">劉 慈欣</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2019/07/04</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> ハードカバー</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p> </p> <p>4/24(金)</p> <p>『三体』ついに読み終わった。感動ものですね。6月に二作目が出る。しかも上下巻だ。骨太。想像力を掻き立てる面白い本をもっと読みたいという衝動から<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B4%E4%C7%C8%CA%B8%B8%CB">岩波文庫</a>版『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%E9%B0%EC%CC%EB%CA%AA%B8%EC">千一夜物語</a>』全巻セットを<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Amazon">Amazon</a>でポチってしまいました。10万円もらえるし。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4002002802/hatena-blog-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="千一夜物語 13冊セット (岩波文庫)" src="https://m.media-amazon.com/images/I/51j8+DW1MdL._SL160_.jpg" alt="千一夜物語 13冊セット (岩波文庫)" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4002002802/hatena-blog-22/">千一夜物語 13冊セット (岩波文庫)</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2004/07/10</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p> </p> <p>4/25(土)</p> <p>『三体』の興奮が覚めやまない。あの感じを拡張させるために、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BF%B9%B8%AB%C5%D0%C8%FE%C9%A7">森見登美彦</a>『熱帯』を手に取る。分厚いので一度読んだきりになっていたが、熱中してしまい1日で読み終えた。幻の小説「熱帯」を巡る物語は、舞台を東京、洛内、<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%CB%FE%BD%A7">満洲</a>、物語内部と縦横無尽に駆け回り、摩訶不思議な出来事の連続が想像力を刺激する。このスケールのデカさが最高なのである。途中、息抜きに<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C1%B1%CA%A1%BB%FB%B8%F8%B1%E0">善福寺公園</a>までサイクリングしてきた。緑が綺麗だ。別の世界の自分はこんな日にはどこに出かけていただろうか。</p> <div class="freezed"> <div class="hatena-asin-detail"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163907572/hatena-blog-22/"><img class="hatena-asin-detail-image" title="熱帯" src="https://m.media-amazon.com/images/I/41g5k1yga5L._SL160_.jpg" alt="熱帯" /></a> <div class="hatena-asin-detail-info"> <p class="hatena-asin-detail-title"><a href="https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163907572/hatena-blog-22/">熱帯</a></p> <ul> <li><span class="hatena-asin-detail-label">作者:</span><a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%D0%C8%FE%C9%A7%2C%20%BF%B9%B8%AB">登美彦, 森見</a></li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">発売日:</span> 2018/11/16</li> <li><span class="hatena-asin-detail-label">メディア:</span> 単行本</li> </ul> </div> <div class="hatena-asin-detail-foot"> </div> </div> </div> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:ok8823:20200427002025j:image" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/ok8823/20200427/20200427002025.jpg" alt="f:id:ok8823:20200427002025j:image" /></p> <p><img class="hatena-fotolife" title="f:id:ok8823:20200427002034j:image" src="https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/ok8823/20200427/20200427002034.jpg" alt="f:id:ok8823:20200427002034j:image" /></p> <p> </p> <p>4/26(日)</p> <p>今日も天気が良い。昼飯前に散歩に出かけようと思いドアを開けた瞬間、空気が昨日までとはがらりと変わったことに気がついた。あたたかさとちょっとのしめっけ。なんだか夏の匂いが漂う。寒さに翻弄された4月も終わろうとしている。昼頃、待ちに待った『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C0%E9%B0%EC%CC%EB%CA%AA%B8%EC">千一夜物語</a>』全が届く。興奮。一つ残念なのはカバーが付いていなかったこと。安いので仕方ないが。13巻もあるので一気読みなんてする気はなく毎晩ちびちび読み進めようと思う。昼食後には<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/Netflix">Netflix</a>で『<a class="keyword" href="http://d.hatena.ne.jp/keyword/%BB%D6%C7%B5%A4%C1%A4%E3%A4%F3%A4%CF%BC%AB%CA%AC%A4%CE%CC%BE%C1%B0%A4%AC%B8%C0%A4%A8%A4%CA%A4%A4">志乃ちゃんは自分の名前が言えない</a>』を鑑賞。一度スクリーンで見ているが、やはり美しい映画である。光の使い方が素晴らしい。自分も海の近くの学校に通っていればもっと麗しい青春を送れたのかもしれない。たぶん無理だが。視覚だけでなく、女子高生に「青空」「世界の終わり」を歌わせる演出も憎い。</p> <p><iframe src="https://hatenablog-parts.com/embed?url=https%3A%2F%2Fwww.netflix.com%2Ftitle%2F81196783%3Fs%3Di%26trkid%3D13747225" title="Shino Cannot Say Her Own Name | Netflix" class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;"></iframe></p> ok8823