創作・日記

地図に穿つ

これまで訪れてきた場所を余すことなくグーグルマップに登録しようと思っている。ひとりで勝手に進めている極めて個人的なプロジェクトだ。誰に見せるわけでもない。何かに役立つわけでもないだろう。ただ個人的な記憶の外付けハードディスクとして、電子地…

しんにょう(あるいはしんにゅう)

幼いころの記憶に残るしんにょう(あるいはしんにゅう)は辶であったけれど、いまモニターに映し出される「辻」のしんにょう(あるいはしんにゅう)は何度目を凝らしても辶だった。ふたつも点が乗っている。おかしな形に困惑しながら、しかしこれはつい今しがた…

光の粒

微かな温もりをはらみ始めた潮風が自由気ままに荒ぶる二月の砂浜は、どこまで行っても誰もいなくて、いつか見たあの景色に似ている。寄せては返す波のごとく、心に去来する寂しさが心地よくなるころには、生きる意味さえも超えていく。 真っ白な砂浜に横たわ…

よくわからない

あるひ私は一大決心をして文庫本の中にもぐってやった。物語は思ったよりも深さが無くてがっくりしたけれど、横の世界はどこまでも続いていて胸が高鳴る。水中から浮き上がってくる言葉たちを吸って吐いていれば息はいつまでも持つようである。 ずっと泳いで…

撃たれなかった拳銃

「チェーホフがこう言っている。物語の中に拳銃が出てきたら、それは発射されなくてはならない、と」「物語の中に、必然性のない小道具は持ち出すなということだよ」 村上春樹『1Q84』より この言葉に出会って、私は一種の怒りを覚えた。意味があること…

想像力の限度

ずっと自分の中で燻り続けているモチーフがある。極夜の東京。そんなものを想像してみると楽しくて仕方がない。もともと、ceroの「orphans」という曲で歌われる白夜の街という設定がすごく素敵に思っていた。単純な思考であるが、では逆に極夜とはどういった…

踊る理由が街にあふれて

片想い「踊る理由」のライブ映像をYouTubeで見ていたら、こんなコメントを見つけた。 ぞくぞくした。震えた。自分は何で泣いてるんだろう 投稿は1週間前、いいねも返信も一つもついていない。コメント主がどのような思いでこの言葉を残したのかは分からない…

『地球の歩き方』東京編 を買う

J01 地球の歩き方 東京 2021~2022 発売日: 2020/09/02 メディア: 単行本(ソフトカバー) 自分がほかの人からどのように見られているのか、とても気になる人間だ。そんなの気にしないで自分らしく生きようぜみたいなノリの人は全員とは言わずともたいてい偽…

2020/7/23の日記

人生2回目のコストコ。全てが馬鹿デカくてアメリカンな気分に浸れるのが良いのだけれど、すごい密な状態でこのご時世に少し心配ではある。吉本ばなな『TUGUMI』を初めて読む。エンタメ的なストーリー展開の中で時折ひかる情景描写の鋭さが魅力的。これが80年…

2020/7/22の日記

アパートの外廊下に信じられない大きさのクモが巣を張っている。コバエとか害虫を捕食してくれるので有難い存在だと決めつけて駆除していないが大丈夫だろうか。

2020/7/21の日記

Pavementの「Spit On A Stranger」が最高だ。在宅勤務中もずっと聴いている。もともとはhomecomingsのガバーで知った曲。この黄昏感がたまらない。話は変わるけれど、2020年という時代の何処かには我々の知らないもう一つの世界線が広がっているような気が最…

2020/7/20の日記

『天気の子』公開から一年が経ったらしい。YouTubeでPVを見返したけれど、たった2分でこんなにワクワクさせる予告は他にないんじゃないか。天気ってのは人間にはどうすることもできないことのメタファーであって2020年の状況とリンクしてる云々も語りたいが…

ここしばらく

4/27月 雨。一日在宅でデスクワークしていたせいなのかわからないが椅子に座っていると地震でもないのに揺れている気分を感じる。エコノミー症候群?憂さ晴らしに昨日配信されていたサンボマスターのライブ映像アーカイブ(すでに削除済み)を見て発狂していた…

ここしばらく

4/17(金) 在宅勤務に嫌気がさしたので有給。免許期限が迫っていたため石神井までチャリを飛ばして延長手続き。途中で通りかかった石神井公園がとてもいい感じだったので落ち着いたらまた来たい。坂道を思いきり下る時、全身に受ける春の風がなんだか寂しくて…

ここしばらく

4/13(月) あまりに時間がありあまるこの機会に古典を読もうという気概が生まれたので、ひとまず解説付きの『徒然草』を読んだのだが、これが案外おもしろかった。説教臭い生真面目な本だと思っていたのだが、酒飲んではめ外して暴れまわったとかあほなことが…

「#うちで踊ろう」騒動に思う

あまり政治的な問題には立ち入らないようにしてきた。あらゆる主張や表現が人を離れてイデオロギーの問題に回収されてしまう気がして気に食わないからである。それでも今回の騒動にはさすがに呆れ返ってしまって、心のだいぶ深い個所から感情のあれこれが吹…

ここしばらく

2020/4/4(土) 昼過ぎ、本当に久しぶりに街に繰り出す。書店で『映像研には手を出すな』全5巻を大人買いしてしまった。アニメを追いきれなかった後悔は深い。あまり人が多そうでない小さめのスーパーに立ち寄って買い出ししようと思ったが品ぞろえが少なく、…

マスクと動揺

マスクを発掘した。そろそろ持ち合わせが切れそうで、どうしようかと悩んでいたところだった。引越しの際に念のため買っておいた一箱分が食器棚の奥にそのまま放置されていた。ひとまず向かう2ヶ月は困らないだろう。 それにしてもこの騒動の影響力はたいへ…

ここしばらく

ここ数日はNetflixで『水曜どうでしょう』三昧だ。ベトナム縦断編、ずっと爆笑している。脱輪したまま放置された大型バス、フロントガラスの大破した対向車、接触事故を恐れぬバイク乗りたち。カブ旅のなかで出会う、日本の基準を激しく逸脱した景色たちの馬…

チェーンメールの思い出

思い返すと2000年代は今よりもだいぶいかがかわしいものに溢れた時代であった。今であればググれば一発でわかるようなデマとか悪戯もも横行していたように思える。そのひとつがチェーンメールだ。21世紀を迎えたこの時期に、不幸の手紙のようなあからさまな…

ここしばらく

ずっと観たかった『ロマンスドール』を観賞。ベタな演出や不要な場面が目立ち完成度に不満は残るが、狂気を直視しようとする高橋一生の演技に見入ってしまった。ただ、あの爽やかなラストはどうなんだろうか。創作をテーマにした作品はどうしても『地獄変』…

ここしばらく

ある日。電車内、週刊誌の中吊り広告。グラビアのキャッチコピーは「25歳。遅咲きのシンデレラストーリー」。同い年の女性がビキニ姿で。自分は遅咲きですらない。何者にもなれず青年と呼ばれる時代も終わる。 ある日。友人たちと酒を交わす。久しぶりに飲み…

今週(1/13-1/19)

今週はなんと言っても芥川賞直木賞発表という一大イベントがあった。詳細は別の記事に譲るが、今回初めて芥川賞候補作全5点を読んだ上で発表日を迎えられたので、今まででいちばん思い入れのある回となった。発表当日には、下北沢本屋B&Bにて開催された「ニ…

ここしばらく(1/1〜8)

さくらももこ 『ちびまる子ちゃん』を旅する (38) (別冊太陽 太陽の地図帖 38) 作者: 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2019/12/24 メディア: ムック 年始は何をしていたのかよく覚えていない。いつの間にか過ぎ去っていきやがった。悲しい。休日最終日に購…

美空ひばりAI騒動に思うこと

NHK紅白歌合戦にて披露された「美空ひばりAI」が炎上しているようだ。騒動を簡単に説明すると、当時の音源などを手掛かりにAI等最新技術によって蘇らせた美空ひばりの仮想実体に新曲を歌わせたら、「不気味だ」「倫理に反している」「何か生命に対する侮辱を…

2019大晦日

12/31 人生で初めて一人で年越しすることにした。特に意味はない。今年は、ホーチミンに行っていたり、その後の体調不良でほとんど年末気分を味わえていなかったが、ここ二日で「たけしの公開オーディション」「アメトーーク」あたりのバラエティ特番を見て…

全部後回しにしちゃいな

イヤフォンを新調した。しばらくiPhone付属の白いやつを使っていたのだが音漏れが酷かった。スピッツを聴いていても爆音イタ車がやってきた時の視線を感じる。サンボマスターを聴きながら満員電車に乗り込んだ日には目も当てられない。そんなこともあって、…

巨大の力

『まだ結婚できない男』最終回を見終えた。前作ほどの面白おかしさはなくなってしまったが、それでもくだらないやり取りに十分楽しませてもらった。ドラマを全作完走できたのはいつ以来であろうか。阿部寛の動作がいちいち面白い。ただ背中を丸めて歩くだけ…

運動不足が過ぎるのか膝を曲げるたびに変な音が鳴るのだがまずいのでしょうか。実家にいる時はランニングコースが近くにあったためほぼ毎日走っていたら時期もあるのだけれど、引っ越してからはさっぱり。一応駅まで徒歩で20分くらいかかるのでそれを運動と…

知らない気持ち

朝が光る。特に思い入れのない街が後ろへ過ぎていく。中央線から見える景色がとても好きで、あの家にも誰かが住んでいて自分の知らない生活が営まれているのだと思う得もいえぬ気持ちが胸に去来したりする。それにしても、この捉え難い感情は何だ。物心がつ…