2021年邦楽マイベスト(シングル)
1. ミツメ / Basic(feat.STUTS)
今年は今まであまり聞いてこなかったポップミュージックを意識的に聴くようにした一年でしたが、結局はずっと前から好きなミツメが一番でした。STUTSとのコラボが功を奏し、サイケデリックさを維持したままポップにまとめられており、圧倒的な仕上がりとなっている。
2. Vaundy / 踊り子
Vaundyについてはあまり知らなかったのだが、この曲は他のどの曲よりも圧倒的に良いと思った。低体温ながら確実に身体に忍び込んでくる音と言葉の心地よさが何度も曲を再生せてしまう。米津以降の我が国のポップ音楽シーンにおいて、現在のところ最高地点にいるのではないだろうか。
3. マカロニえんぴつ / なんでもないよ、
前々からウェルメイドな作品を作っているバンドだと認識していたが、彼らが醸し出すキャッチ―な身のこなしがゆえに好きになり切れていなかったきらいがある。だが、昨年の「恋人ごっこ」でついに好きなバンドとして認識するようになった。本作も、なんだろう、素朴で素晴らしい。
4. 羊文学 / マヨイガ
映画『花束みたいな恋をした』において、新世代カルチャーの象徴として言及されていた羊文学。ここまであまりハマり切れていなかったのだが、アニメ『平家物語』のオープニングテーマとして内定している「光るとき」(音源未発表)の出来があまりにも素晴らしかったので、過去作を遡っていくうちに、この曲にたどり着いた。
5. A_o / BLUE SOULS
突き抜ける青を歌うアイナ・ジ・エンドのボーカリストとしての可能性を再認識した一曲。Bishの知名度や、ポカリスエットのCMで話題になったこと、そして何より楽曲の良さを考えると、もっと人口に膾炙されてもよかったはずだ。
6. 銀杏BOYS / 少年少女
アニメ『Sunny Boy』の主題歌は、「Baby Baby」以来のド直球のロックソングだ。異世界を漂流する少年少女のもがき苦しみを賛美する。汗まみれの青春を歌わせて峯田和伸の右に出るものはいない。
7. 藤井風 / 旅路
太宰治の如き相貌で「木綿のハンカチーフ」を弾き語る青年を低画質のカメラがとらえるその動画に魅せられたのはいつのことだろうか。いつしか世間に知られるかもしれないと嘯いていたユーチューブのコメント欄の民たちと同じように、私もまた、あっという間にスターダムを駆け上っていく藤井の姿に驚きと賞賛を送るのである。
8. 星野源 / 不思議
星野源のすばらしさは今更つたえることもないだろうが、それでも、ブラックミュージックを換骨奪胎して、日本の人々の鼓膜に最大公約数的にマッチする音楽を作り続けていることには頭が上がらない。『ばかのうた』からのリスナーとしては少し寂しくもあるのだが...。
9. 神聖かまってちゃん / 僕の戦争
実は『進撃の巨人』を見ていた時はそのOPが神聖かまってちゃんのものだとは気が付かなかった。『友達を殺してまで』のころと比べて、音も売れ方も全くスケールが比べ物にならなかったからである。だがしかし、よく耳を傾ければ、彼らがこれまで歌い続けてきた、どうしようもない日常に対する抗いが、本作でもしっかりと叫ばれているではないか。
10. クリープハイプ / しょうもな
歌声が生理的に無理、みたいな酷い理由で食わず嫌いしてきたクリープハイプだが、ユーチューブのおすすめ機能でたまたま聴いた本作は、もうケチも付けられないくらいいい曲だった。他の曲もしっかり聴いてみようかしら。
シングルA面の曲から10作選びました。入りきらなかったけれど、ヒゲダンの二作品、宇多田ヒカル「One Last Kiss」とかもよかったです。