今週(1/13-1/19)

今週はなんと言っても芥川賞直木賞発表という一大イベントがあった。詳細は別の記事に譲るが、今回初めて芥川賞候補作全5点を読んだ上で発表日を迎えられたので、今まででいちばん思い入れのある回となった。発表当日には、下北沢本屋B&Bにて開催された「ニコ生with本屋B&B ~第162回芥川賞直木賞受賞記者会見パブリックビューイング~」に参加するなど、芥川賞への熱は最高潮に達しているのだが、周りで話せる人がほとんどいないので寂しい。さて、第162回芥川龍之介賞は古川真人「背高泡立草」が受賞。乗代雄介「最高の任務」を激推ししていた身としては残念ではあるが、受賞会見のぐだぐた加減ですっかり古川ファンになってしまった。偏見だが、文学という存在がなければ生きていけなかったタイプの人間だと感じた。最高でしょう。直木賞受賞者川越宗一氏のパーフェクトな質問対応と比較するとなおのこと面白い。よく、「作家先生は話も上手いですね」みたいに話をする人がいるが、そんな言説はくそである。話し言葉という現実の世界で上手くやれない人間のためにこそ文学はあって欲しいと思う。もちろん、スピーチの上手い作家がダメだという話ではない。川越氏の会見からも、文学に対する真摯な姿勢を感じることができた。特にお気に入りは次の部分だ

物語に都合のいい人生を歩んでいる人は誰もいないなと思ったんですね。やっぱり物語に出てくるキャラクターであれば、ある程度、確固たる信念があったりとか、矛盾のない行動というのが必要なんですけれども、実際に生きている人ってやっぱり全然そんなことないんですね。

 

 

半年くらい前から視聴している「みのミュージック」という音楽系YouTubeチャンネルで星野源が特集されていた。彼の功績は、クオリティとポップスを両立させた点にあるという指摘は面白かった。つまり、『YELLOW DANCER』以降(シングルで言えば『SUN』以降)のブラックミュージック的なJPOP曲群が、日本の音楽リスナーたちをある意味啓蒙する役割を果たしたということである。そういえばブームの際は小沢健二と比較されていたような。しかし、自分にとって星野源とは、ブラックミュージックではなく、フォーキーな四畳半ロックだ。1stアルバム『ばかのうた』をどれだけ聴きあさったことか。質素だがたしかに実感する「生活」の情念の結晶に魅せられた人間はみな、『恋』で大ブレイクした後の彼に対する複雑な気持ちを抱えたはずだ。売れちまって音楽性が代っちまったじゃねえか。でも、音楽自体は悪くないから…くそ。

 

 

 

「しもふりチューブ」最新回は、なんとあの『ドンキーコング64』を遊ぶ企画である。神回だ。自分にとって、人生でいちばん思い入れのあるゲームといっても過言ではない。せいやの思い出語りが全て納得するものであり、そしてこのゲームについて全く知らない粗品に、熱弁がほとんど伝わっていない点も面白いのだ。ふたりの対戦動画を見てるだけで楽しくて仕方ない。しかし、レア社のゲームは独特の暗さがあって子供心には怖さも感じた。大人になった今だからこそやり直してみたい。